野 球 部 の 君 ― 2

♯49 ページ19

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“ Aが好き、それだけやっ ”


與君の顔は真っ赤で
それでも怒っているようだった。


冷たい目は変わらなかった。




『………』




保健室の中が、息苦しく感じる。






記憶の中だけでは
名前を呼んでくれたのは初めてだった。





『………このままなのかな』




気持ちを確かめ合って
何も変化することはないのか。



〜〜〜♪




一時間目終了を知らせる
チャイムが遠慮がちに鳴った。





実彩子が抱く気持ちを
私が踏み潰してもいいのだろうか？


きっと、実彩子は與君が好き。





私が我慢すれば、皆が幸せになれる。





『私が幸せになるのは、不似合いかな』



沢山の人達に迷惑を掛けた。


周りの人達を傷付けて
私の思い通りになるはずがない。








浦「Aちゃん？」


『………浦田先輩』





生徒会長の浦田先輩が来た。



浦「具合でも悪いのか？」

『………腹痛で休んでました』






指を押さえていたから
突き指でもしたのだろうか。



浦「体育で怪我しちゃって」







『………浦田先輩』

浦「ん〜？」






『浦田先輩は、恋してますか？』







秀才の浦田先輩が
“ 恋 ”をしているのだろうか。







浦「してないよ」

『………そうですか』



浦「何かを悩み続けるのは、良くないよ」


浦「俺でいいなら、相談に乗るよ？」








浦田先輩は、人を素直にしてくれるのか。








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