反発アイデンティティー！ ページ7
.
数日後。あれから毎日のようにヴィル先輩の厳しいレッスンが行われている。
みんな最初に比べて、少しずつだが確実に成長していることを私はひしひしと感じている。
私も私で、マネージャーとしての毎日ドリンク運びやタオルの洗濯、みんなのストレッチの手伝い…デュースやエペルのバレエレッスンなどなどやる事は盛りだくさん。
シュウやルウも一緒に来てくれるけど、シュウは教師としての仕事が忙しい日は顔を出さない。それでも彼らが手伝ってくれているおかげで、私も助かっている。
「いつか林檎のような赤 朽ちてく 誰も越えられない」
「ああもう、ダメ、ダメ！いったん音止めて」
エペルが担当しているパートを歌ったところ、ヴィル先輩からのストップが入った。
「どうしたんだい、ヴィル」
「エペル！！！」
「は、はいっ……！」
この様子だと、どうやら今日も始まったようだ。
「うわ出た。エペルしごき。ああも毎日だとさすがに可哀想になってくるわ」
「エペルはメインボーカルだし、それだけ期待をされてるってことだろうが……」
「オレ様、『音止めて』って言われるたびにしっぽが後ろ足の間に入っちまうようになってきたんだゾ」
「エペルも毎日言われると辛いよね…」
エペルだっていつも頑張っている。ヴィル先輩はそれを知らないわけではないだろうし、同じポムフィオーレ寮生として頑張ってもらいたいと思う気持ちも分かる。
けど……ここまで来ると、エペルに同情する気持ちの方が勝ってしまう。
「アンタ、マネージャーのバレエのレッスンでなにを学んだの？固定観念を捨てなさいとは言ったけどヤケクソになれとは言ってない。歌詞の意味を理解しないまま歌わないで。これは誰かに媚びを売るための歌じゃないの」
「でも、これが、僕のできる精一杯の“愛らしさ”で……」
「愛らしさとぶりっこは別物よ。そんなことで、あのネージュを仕留められると思ってるの？
さあ、はじめからもう一度！」
エペルの言葉は虚しくも、ヴィル先輩にあっさりと切り捨てられた。いつもならここでエペルは大人しくレッスンに戻っていた。しかし………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉(プロフ) - 星空ブリキさん» いや、ほんと……来ちゃうよ……ディアソ最推しはツノ太郎なんだが、ヤツはオバブロの匂いを漂わせてやがる…！でも彼がオバブロすると真面目に世界崩壊免れん（）とにかく最後、推しが笑っていれば全て解決なのだぁ！！！！！！ (2022年12月18日 19時) (
レス) id: 3f443412c7 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 7章くるね…ディアソ民(主に俺はセベク推し同担かもん)にとっての最高の祭りじゃ。皆のもの、(推しに)太る準備はできた() (2022年12月18日 18時) (レス) @page26 id: d2bad01efc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2022年12月11日 15時
