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「「「えっ!?」」」
「カリム。寮生を家に帰すと決めたんじゃ……!?」
「アイツ、さっきと言ってることが全然違うんだゾ!?」
カリム先輩の言葉に寮生たちだけでなく、ジャミル先輩やグリム、もちろん私も驚愕の声を上げた。
「1日たった6時間で、他寮にとった遅れが挽回できるはずがない。他寮の2倍、いや、5倍の努力をしなければ成績最下位寮の汚名をそそげないと思え!
明日からは毎日5時間の勉強と、4時間の実技訓練を全員の義務とする!」
「えぇ?毎日9時間も修業させる気か?」
「そんなのスパルタすぎじゃ……」
それにカリム先輩も、メリハリが大事だって冬休み期間は家に返すって言ってたのに……。
「今日の夕食後は、防衛魔法の特訓を行う!さっさと食って準備をしろ」
「「「は……はいっ!」」」
寮生たちが戸惑いながら返事をし、夜ご飯を食べ始めたことを確認すると、次にカリム先輩私たちを鋭い眼光で睨みつける。
「スカラビアに来たからには、ユウとグリムも強制参加だ!いいな!」
「えぇ〜!なんでオレ様たちまで!?」
グリムが巻き込まれたと駄々をこねている横で、私は濁ってしまった彼の瞳を見つめていた。
「カリム先輩、急にどうしちゃったんだろう……?」
「…………」
その時、ポタポタとブロットが溜まる音がした___。
ーーー
NGシーン
「カリムもいいヤツだし。オレ様ここの寮生になりてぇな〜♪」
「えっ」
「…………冗談なんだゾ。
ユウ?」
「大変だ!監督生がグリムが離れていくかもしれないショックで心肺停止だ!!!」
「誰か!誰かジャミル副寮長呼んでこい!!!」
「ユウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年9月5日 19時