愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ40)

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「そ、それより……デュース。オマエなんかキャラ変わってる気がするんだゾ？」

「……ハッ！ご、ごほん！悪い。少し取り乱した」

「ねえ、2人の魔法であの怪物はなんとかならないの？」

｢先ほど学園長が言っていたように魔法は万能ではない。強くイメージ出来なければ魔法は具現化できないんだ。大掛かりな魔法や複雑な魔法の使用には訓練が要る」

「だから魔法学校があるんだけどね。パッと思い浮かべた通りに魔法を使うには、かなり練習が必要ってワケ。ぶっちゃけ、テンパってるとミスりやすい」

「その場のテンションじゃないわけか」

「得意な魔法なら感覚で使えるんだけどねー」

なるほど、何となくだけど魔法のことは分かったかも。
私が一人理解している間にデュースは“なんとか”して魔法石を取ってくると言う。

「だーかーらー。お前さーシャンデリアの時といい実は相当なバカでしょ。さっきは全然歯が立たなかったくせに『なんとか』って何？何度やったって同じだろ」

「何だと！？お前こそ……」

「また始まったんだゾ」

もう何度目か分からない喧嘩にグリムも私も呆れていた。
私は大きく深呼吸をすると、お腹の底から大声を出した。

｢2人とも…いいかげんにしなさい！！」

「「「！！」」」

「うわっ。ユウ、いきなりデケぇ声出してどうしたんだゾ」

「そんなんだから2人とも、あの怪物に歯が立たないの。ある時は責任を押し付けあって、ある時は自分を正当化させ、ある時は昔のことをほじくり返して相手を傷つける。そんなことしてたって、何の意味もないって分からないの？」

「ふ…ふなぁ……」

「ぐっ……。し、しかし……一体どうしろっていうんだ」

「力を合わせて協力し合う。方法はそれだけ」

そう言った私(私の言葉の方かもしれない)をエースは鼻で笑った。

「力を合わせるって……。ハッ、何ソレ寒っ。よくそんなダッセェこと真顔で言えんね」

「同感だ。こいつと協力なんて出来るわけがない」

「ダサいのはどっち？その無駄に高いプライドのせいで、目の前のチャンスをなくし、自分の首を締める覚悟があるならそうすれば？」

「「…………」」

さっきの威勢はどこにやら、2人は黙り込む。
個人が自尊心やプライドを持つことは自由だし、それは悪いことじゃない。それが自分にとってのプラス思考となるものだったら尚更。
だけどこんな場合じゃ話は別。きちんと今の状況を彼らには理解してもらわないとね。