愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ11)

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困惑アムネシア！ページ11

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図書室に着いた私達。早速、国に関する書物を引っ張り出し、私の出身国について調べ始める。

「やはり、ない。世界地図どころか、有史以来どこにも貴方の出身地の名前は見当たりません。貴方、本当にそこから来たんですか？嘘をついているんじゃないでしょうね？」

「ついてませんよ！この目が嘘をついているように見えますか！？」

目を見開き、学園長を見つめる。
この純粋な目が虚偽に見えますか！？見えないでしょ！？自分で言うのもアレですけど！！！

「こうなってくると貴方が何らかのトラブルで別の惑星……あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね」

「異世界？漫画とかアニメで出てくる？？転生ものの？？？」

読んだことは無いけど聞いたことくらいはある。主人公が別の世界に行って、世界救ってきますってやつ。

じゃあ今私はある意味主人公なのでは？？
……ってか、本当に異世界移動って有り得るの？たしかにそう言えば、全ての辻褄は合う気がするけど…。

「貴方ここへ来るときに持っていたものなどは？身分証明になるような、魔導車免許書とか靴の片方とか……見るからに手ぶらですけど」

「みたまんま手ぶらです。お財布は机の上で、スマホは充電してましたし」

「困りましたねえ。魔法を使えない者をこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし保護者にも連絡がつかない無一文の若者を放り出すのは教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので」

「学園長、本当に優しい人は自分から優しいとは言わないとテレビで言ってましたが」

「失礼なことを言わないでください！」

暫く悩んでいた学園長。そしてハッと何か思いついたように、顔を緩ませた。

「う～ん…………そうだ！学園内に今は使われていない建物があります。昔、寮として使われていた建物なので掃除すれば寝泊まりくらいはできるはずです。そこであれば、しばらく宿として貸し出して差し上げましょう！その間に貴方が元いた場所に帰れる方法を探るのです」

「前半は了解ですが、後半は別にいいです」

「はい？」

「帰る方法は探さなくていいです」

「な、何故？貴方には帰る家があるでしょう？」

「……私が帰ったところで喜ぶ人なんて、きっといませんから」

「………どういうことですか？」

あらら。思ったより早く、私のことを話さなきゃならない場面になっちゃった。