愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ12)

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「＿＿＿＿私、捨て子なんです」

その言葉を聞いた瞬間、学園長は不味いことを聞いたと言わんばかりの顔をした。
それでも私は話し続ける。

「両親は5歳の時、私を捨てました。あ、祖父母は両方とも既にいないので、孤児院行きです。
そんでもって、そのすぐ後私の両親が死にました」

「しっ……！？」

「やっぱりビックリしますよね。それで私の家系は俗に言う裕福層で、両親が死んだ後に私に大量の遺産が流れ込みました。両親と関係があった人達は、その遺産を目当てに私を引取りに来ました。
………でも、そこからが悪夢の始まりでした」

学園長は黙って私の話を聞いている。
こんなことは久しぶりかもしれない。誰も、私の話を聞いてはくれなかった……ううん、聞こうともしなかったから。

「私が引き取られた家では次々に不幸なことが起こるんです。会社が倒産したり、仲のいい人や親族が亡くなったり、大事故にあったり……。それを恐れた引き取り人は私を別の孤児院に置いていきました。
それが一件だけなら良かったのですが、次に引き取られた家でも似たようなことが起きたんです。そして孤児院に逆戻り。それの繰り返しで、いつしか呼ばれるようになったんです。

…“呪いの子”と」

いくつもの孤児院を転々とし、いくつもの名前を名乗った。
遺産目当ての上辺の愛も最初だけ。私のせいで不幸が重なると手のひらを返し、逃げていく。

そんな人をたくさん見てきた。

「まあ、こんな子ですから、周りに忌み嫌われたというわけです。だから帰ったところで、ってことなんです」

私はニコニコとした顔で礼をした。
これが異常だとは思わない。もう慣れてしまったから。

「…辛い過去をお持ちのようで」

「そう思うなら、そう思っててください。すみません、せっかく親切にしていただいたのに」

「いいえ。ですが、貴方がこの世界に生きていくのならば、戸籍やら何やらの問題があります。……まあ、それについては少し時間を置いてからにしましょう」

「了解です」

「では話を戻して、善は急げです。寮へ向かいましょう。少し古いですが、趣のある建物です。
無知なレディを、この私が案内しましょう！ああ、私ってなんて優しいのでしょう！！」

「今軽くディスりました？」

無知じゃないですよ！こう見えて、全国模試一位の座に立ったこともあるんですからね！！！