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「なんで1人で帰るわけ」
「危機感とかないの」
「仮にも、一応君は女の子なんだからさ」
私の手を掴んであの場から連れ出してくれた月島くん、ただいま絶賛お説教中。
私だって怖かったんだからそんなに怒らなくてもいいじゃない、なんてひねくれてしまっていて。
「月島くんと山口くんが遅かったから悪い」
心にも思ってないことを言ってしまう
「……」
あ、やってしまった、ただの八つ当たり。
そうじゃない、2人のせいじゃない。こんなやり取りをするより言うべきことがあるじゃない
「…来てくれてありがとう、助かった」
「次から気を付けてよ。僕も遅くなる時はちゃんと連絡するから」
元々約束なんてしてないのに、どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう
握られている手が心臓になったみたいに熱く脈打つ
「うん、気を付ける」
今しか出来ない、って思って
手をきゅっと握り返す
嫌がられるかな、振り払われちゃうかなって思ったけど特にそんなことはなく
「…家まで送る」
顔を背けた彼の耳は少し赤くなっていた
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作者名:電卓 | 作成日時:2020年2月16日 23時