鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

出席拒否 ページ9

「そんなッ…私今度こそ死ぬ…？」

「揺さぶられても困ります…それは結果次第なので」



しのぶさんの袖に掴みかかって抗議するも、「安静にしててください」と額を押された。


「落ち着けないなら麻酔を打ちますか？」とまで聞いてきた。


麻酔？いや、なんで？？注射だよね、それ……？？


無言の拒否で、投げ払った布団を掴み頭まで被ると、「良い子です」……と、


なんか物凄い蠱惑的な声音だったんだけど……いや、考えないようにしよう。


「見てきますから、大人しくしてて下さいね」


動いたら毒刺しますから、と恐ろしすぎる釘を指して、しのぶさんはそのまま部屋を出て行ってしまった。




………えぇっ、そこで1人…！？


柱合裁判って、柱9人全員いるやつじゃん……もれなく鉢合わせじゃん。


推しに会えて嬉しい……それどころじゃない、むしろ喜べないよ！？


そもそも裁判に掛けるったって、確か……


「……霞柱と蛇柱がいたのに、殺されなかった辺りで何かあるよね…」


柱が2人もいたのに、殺されず気絶させて連れて帰る時点で、もう何かある。


………もしかして私、鬼になる前はどこかの偉い人か鬼殺隊の人だった、とか……？


「…………うーぅん……」


うん、考えても何ッッも分からないな……！！


裁判になったらもういろんな意味で死ぬから、せめて迎えに来る人が可愛くて優しい人であって欲しい。


___という切願を、粉々に打ち砕くような迎えがやって来たのは、それから数分後のことだった。




「___自分で歩けるから触んなしッ」


比較的激しく駄々をこねて出席拒否をする私と、


「おい、胡蝶にしがみつくな。行くことは決まっているんだ」


そんな私の肩を掴んで、力尽くで連れて行こうとする男と、


「私も行くんですから、そのまましがみついていたら着いちゃいますよ」


やや困った顔でしがみつく私を諭すしのぶさんと、


「…埒が明かない。もう1回気絶させて縛って行けばいいだろ」


問答無用で中々酷なことを言う___こいつか、私を気絶させたのは。




とりあえずカオスを極めているこの場にいるのは、私と蟲柱と、そして蛇柱。


ガスっ、と音を立てながら私は2度目の気絶をした。




_____目が覚めた時に、手を縛られていたのは言うまでもない。


目を開けてすぐ、あこれ縛られてる…と分かった。


ただ、問題は、


「………………え…？」


___目が覚めたら、産屋敷さんこと“お館様”が目の前に座っていた。

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