待って柱 ページ10
「………………」
目の前に座るのは、間違いなくお館様こと鬼殺隊のボス産屋敷だ………
その横には子どもの2人が鎮座している。こっち見て……ないね?どこ見てるか分からないな…
とそんなことを思いながら、自分の状況を把握しようと神経を尖らせた。
視線的に、多分私は縁側に横にされて手を後ろに縛られている……
気を失う前が確か、柱合裁判に行く前だったから……………もしかして、まさか…!
「っ、は…!」
ぐるんと横になっていた体を仰向けにして、腹筋に力を入れて起き上がる。
やっぱり縁側で寝ていたようで、見てみれば縁側の廊下と木造の屋敷が辺りに広がっていて、すぐ横には庭が…………
「……」
膝をついて並ぶ………柱9人。
向いてる方向がお館様で、その間に私がいるから仕方ないことだけど、全員が私を見ている。
うわっ、え…これはキツいキツい!圧力が半端じゃないっていうか、目に見えるっていうか……
体が重い。鬼の感覚、なのだろうか………人の気配が重みになって分かるとは…!
規格外の力を持つ柱、それが9人。
重圧的には……例え手足を縛られているとしても、立ち上がるどころか動けないくらい。
「………てか、なんか暑すぎて死にそうなんだけど…?」
鬼って日光に当たると死ぬんだよね?あれ、ここ縁側??割と命やばくない?
「…誰?ここに置いた人。焼け死んじゃうでしょ?私…」
溜め息と共にボソッとそう呟き、柱の方から目を背けて、私はもう一度お館様の方を向いた。
「…それで、あなたが“お館様”ってやつ?鬼殺隊の頭が、しがない鬼に何の用で…?」
体は半身起き上がって横に向けたまま、首だけを向けて傾げると、
お館様はそれに答えるのではなく……何故か、やんわりと微笑んだ。
そして、ゆっくりと口を開いたと思えば………
「___帰って来てくれて、嬉しいよ。おかえり、桜子」
優しい声でそう言った。
「…え?」
今なんて…?帰って来てくれて嬉しい……?私が…??
「なんて…?帰ったも何も……ここに来たのは初めてのハズなんだけど」
「そうだろうね。あぁ…そうだね」
そうだね、って……向こうからしたら当たり前のハズなのに、なんか悲しそうだなこの人……
「君は鬼だと聞いたのだけど、私には襲いかからないの?」
と思っていたらまた掛けられた声に、私は何故だか、
___胸が締め付けられるように苦しくなった。
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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時