むかしばなし ページ21
「今でも時折夢を見るんだ。私が、
その日はいつもと何ら変わらない日だった。強いて言うなら、父の機嫌がいつもよりも悪かったかも。…ああ、そういえば少し前にお母さんが死んじゃったっけ。きっと、私たち…というよりも父の世話をする
深夜25時。私は酒に酔って帰ってきた父の怒号で叩き起こされたんだ。確か「一家の大黒柱の俺が帰ってきたのに、迎えもないのか」とかクソくだらないことだった気がする。
きっと、私もお母さんが亡くなってから寝不足が続いて、イライラしていたんだと思う。父に口答えをしてしまったんだ。もしも時間を巻き戻すことができるのならば、このときに戻りたいな。そう思うほどに、この出来事は私の今後の人生に絶大な影響を与えたんだよ。
…簡潔に言えば、「実父に襲われた」ただそれだけなんだけどさ。本当に、それだけのことなんだ。それに対して特に何も感情は湧かなかった。私の処女がこんなゴミみたいなクソ野郎に奪われるのか、とか、そんな程度のことを考えただけだったよ。今思えば、あのとき無意識に何も考えないようにしていたんだと思う。うーん…心の自己防衛ってとこかな。
その後、私は即警察に行って全てを話して、スペインにいる遠い親戚の養子になった。それから、“普通の家庭”というものを知ったんだ。養父は滅多に酒を飲まなかったし、飲んで酔って帰ってきても殴ったり、怒鳴ったりしなかった。
でも、リリから言われた「ハルさんには自分のココロに従って生きてほしいな」って言葉で、私は彼女に己の醜い部分全てを見透かされたような気がしたんだ。
全部、莉々愛ちゃんが正しいの。あたしは自分のココロに従って生きてなんていないって。ずっと嘘を吐いてる。嘘で塗り固めてできたのがハルなんだよ。本当はね、男の子が好き。あたしだって、普通に恋をしてみたい。いつか結婚だってしたい。…でも、怖いの。あたしは私でなくちゃいけない。そうじゃなきゃ、自分を守れない。
だって…もう、傷つきたくないから。
だから私は女好きで女たらしで、男っぽい“ハル”を演じるんだ。キツくてしたくもないサラシを巻いて、髪も短く切って、話し方だって変えて。
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ブックマーク(プロフ) - 最高です！応援してます！ (2023年2月13日 2時) (
レス) @page14 id: 30dece2dde (このIDを非表示/違反報告)
るぁ - うぁ好き…夢主ちゃんが凄いのに謙虚だったりほかの二人も性格が良さそうなのがめっちゃ好き…とりあえず付き合ってください（？）今後の展開楽しみです！ (2023年1月30日 19時) (レス) @page9 id: b6e4bb87a9 (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - うわ、面白い………………！神作品ありがとうございます！！笑応援しています！ (2023年1月20日 20時) (レス) @page6 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美少女に生まれ変わりたい一重モンスター。 | 作成日時：2023年1月17日 0時
