人を守るために ページ38
思えば、人を守るために剣を振ったのは初めてだったと思う。
私の剣はずっと人を傷つけることしか知らなかった。
その剣も今は手から滑り落ち、カランカランと音をたてる。
剣に写ったのは男達の顔。目の前に見えるのはまだ小さい子供たちの強張る顔。
グッと力を入れ痛みを待った。しかし――・・
次に聞こえたのはドサリと人の倒れた音。そして、気だるげな声。
「ったく、俺はせっかく休暇だったっつーのにねィ。なに間抜けなことしてんでィ」
振り向けば見えた栗色の髪。
「お、沖田隊長ッ!!」
「世話の焼ける部下でィ。引き取んじゃなかったぜィ」
剣先には血の一滴もついていないが、相手の志士は白目をむいて倒れている。
「お、お前は、真選組一番隊隊長・・沖田総悟ッ!!」
「あー、そういうの聞き飽きたんでパス。っつーことで、ホラよ」
呑気に拾い上げられた刀は私の前へ差し出される。
「まだやれるんだろィ」
悪童のような笑み。
チラリと子供たちの方を見れば、真選組の隊士たちが救助にあたっている。
要するに――、自由に暴れられるってわけ。
「当たり前じゃないですか、なんたって私なんですから!」
撃たれた痛みも忘れ、握りしめた刀。
ゆっくりと立ち上がった勢いで、敵との間合いを詰め目の前に広がる志士たちを切り伏せた。
・
「よくやった」
結局、志士たちはほとんど私と沖田隊長で切り伏せることに成功。
終わった瞬間に来た突如の疲れにより、今は座って休んでいたところだ。
「ありがとうございます」
差し出されたハンカチを傷口に当てればジワリと痛む。
「あっ、おいっ!!」
久しぶりに血を流したせいか、頭がクラクラする。
次第に意識は溶けるように闇に消えて行った。
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神阿(プロフ) - ☆MARIN☆さん» ありがとうございます!!がんばります!!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 銀色ミカンさん» お返事遅れてしまってすみませんでした!勿体ないお言葉ありがとうございます!!がんばります!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
☆MARIN☆ - な、何かドキドキする展開になって来ましたね……! 更新頑張って下さい!! (2016年6月15日 17時) (レス) id: 8824379efa (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - お初にお目にかかります。この展開、めっちゃいい^^面白いです^^続きを楽しみにしています。がんばってください。 (2016年6月13日 15時) (レス) id: 220d4c1752 (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 奈々恵さん» ありがとうございます!話の内容はもう既に決定しておりますので暫しお待ちを! (2016年5月22日 17時) (レス) id: 3a209594c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2016年5月1日 21時