【銀魂】 武士は食わねど高楊枝

計画変更 ページ37

｢女が俺達に近づいてくるたァ変わり者もいいところだからな｣


ニヤリとほくそ笑んだボス。

子供に気を取られ周りの気配に気がつけなかった私の負けだ。

計画は変更。


｢仕方ないですね、｣


倉庫からは不安げに子供たちがこちらを見ていた。

ドアを占めるなりすれば良かったけれど、そんなことを言っていられる場合でもない。


一斉に襲いかかってくる敵を交わす。

場所は既に報告済み。副長たちもじきに応援に来てくれるはずだ。

それまで奴らを殺さず、もちろん私も殺られることなく持ちこたえなければいけない。


刀を振るたびにチラつく子供たちの心配そうな視線でうまく集中出来ない。

こんなこと、初めてだ。



｢ずいぶん上手いこと俺達を殺さず戦うじゃねぇか｣


叩いても叩いても増える志士。

志士の長は余裕の笑みを浮かべる。



｢あのガキどもの前で殺さねぇってタチだろ？甘い、甘すぎるぜお嬢ちゃん｣


満足げに笑った志士たちにハッとして振り向けば――･･･


｢やめろっ！！！｣


真っ直ぐに振り上げられた銃口は女の子の額に向かう。

ビックリするぐらい咄嗟に身体が動いた。


パァン


発砲音と共に肩に血液が広がる。



｢うぐっ…！｣

｢おねえちゃん！！！｣


痛む肩。こんな感覚は何年ぶりだろうか。

剣が音を立てて右手から滑り落ちた時、背後に振り上げられた刀が見えた。

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