計られた ページ36
「ねぇ、君っ!」
ぐったりと横たわる少女に駆けよれば、生気のない目で少女は私を見た。
「お腹、すいた・・」
「お腹・・ちょっと待って」
たった一つしか持っていなかったが、飴玉を渡せばゆっくりと口に含む。
「きみ、どこから来たの?」
「しらない。・・お母さんは?」
何も知らずにつれてこられたのか、はたまたもう一つの可能性は――親に売られたか。
とにかく、すぐにでも報告しなければいけない。
「なにか、おじさん達から聞いたことないかな?」
出来るだけ優しい声音で問えば、少女は少し考えるそぶりを見せて答えてくれた。
「三日後、お空に行くって」
「わかった。三日後ね」
ざっとみて志士の数はここに居るだけでも百人をくだらない。
私一人がそいつらを切り捨てるだけなら簡単だが、この子たちを危険にさらすわけにはいかない。
「お姉ちゃん、どこ行くの?」
「ごめんね、またくるわ」
今すぐ助けられない。
それくらい私だってわかる。
先ほどしまったばかりの携帯をポケットから取り出し真っ先にかけたのはもちろん副長。
副長は3コール目で電話に出た。
「どうした」
「副長、大変です。奴らはクロです。」
「何があった」
「子供の、人身売買を行っています。至急応援を――・・」
カチャリ
微かに聞こえた金属の音に、のけぞって反応すれば目の前を勢いつけて通り過ぎていく刀。
気づかなければ真っ二つだっただろう。
振り返らずとも殺気でわかる。
「おい、どうしたA」
電話越しから聞こえる副長の声は、通話終了ボタンで機械音に変わってその代わりに聞こえたのは
「こんなに早々に裏切るなんてなァ」
「いやですねェ、ボス〜!お人が悪いですよ〜!!最初から、わかってたんですね」
計られたように囲まれていた。
67人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神阿(プロフ) - ☆MARIN☆さん» ありがとうございます!!がんばります!!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 銀色ミカンさん» お返事遅れてしまってすみませんでした!勿体ないお言葉ありがとうございます!!がんばります!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
☆MARIN☆ - な、何かドキドキする展開になって来ましたね……! 更新頑張って下さい!! (2016年6月15日 17時) (レス) id: 8824379efa (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - お初にお目にかかります。この展開、めっちゃいい^^面白いです^^続きを楽しみにしています。がんばってください。 (2016年6月13日 15時) (レス) id: 220d4c1752 (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 奈々恵さん» ありがとうございます!話の内容はもう既に決定しておりますので暫しお待ちを! (2016年5月22日 17時) (レス) id: 3a209594c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2016年5月1日 21時