【銀魂】 武士は食わねど高楊枝

アットホームな職場です。 ページ34

｢こんな若ェねーちゃんが国を変えたなんざ関心だねェ｣


武力行使で潜入に成功した私は今、歓迎会を開かれている。

なんていうか、アットホームな職場です。ってキャッチコピーが立ちそうなくらい、無駄に志士達と仲良くなってしまったのだ。

もちろん、自己紹介もしたわけだがすべて嘘の内容だ。



｢いや〜こんな国じゃやってけませんから〜！！｣



志士達の大将の名は泉。

こんなにアットホームな雰囲気の志士達だが、活動内容は武器の密売、将軍家中枢の暗殺だからやっぱり人というのは信用出来ない。



｢それにしてもすごいですね、世の中にはこんなにたくさんの国を変える志を持った人がいたんですね〜｣

｢あったり前ェよ、俺達は高杉さん達と手ェ組むぐれーだ！憧れねぇ志士はいねぇよ｣

｢えっ…？｣



ここで非常事態。

あれ、副長から聞いてた情報と違くない？副長は桂たちって言ってなかったっけ。

そんな切なる疑問は彼の言葉により、納得に変わった。


｢桂の野郎、俺達のこと攘夷志士の風上にもおけないだとぉ！？今に見ていやがれ…｣


酒も入ってかより一層力を込めて握られた手。

桂の言うこともあながち間違ってはない。彼らは攘夷志士と名乗れども、それは名ばかり。

彼らがやっているのは志士の風上にもおけないただの違法行為。

口先では将軍家中枢の暗殺なんて言えども、その後の権力にしか目がいってないのが丸わかりだ。



｢へぇ｣

｢どうした新入り｣



つい考え込むように頭を巡らせて締まっていた。首をかしげた大将が私の目をのぞき込んでいたのだ。



｢何でもないですよ？あ、お手洗いお借りしますねー｣



この攘夷志士達、どうにもくさいのだ。

私の勘では、まだ何か隠している。

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