それ何アルか ページ31
「お邪魔しますヨー」
呑気な声と共に現れた神楽ちゃん。
神楽ちゃんを通したのは勿論私の部屋だ。
「クーラーないのかヨ」
「そんなにリッチじゃないんですよ〜」
「税ドロのくせにアルか」
文句垂れながらも扇風機の前を陣取る神楽ちゃんはちゃっかりしている。
夏とはいえ夜の風は冷たくて気持ちがいい。
窓を開け扇風機をつけていれば十分涼しく感じられることはできる。
お風呂はもう済ませてきたという神楽ちゃん。
本当に寝るためだけにここに来たらしい。
土方さんから借りたお客さん用の布団をひけばすぐさまゴロンと寝転がった。
「それにしてもなんにもない部屋アルな」
「そうかな?生活に必要なものはあるとおもうよ」
神楽ちゃんはぐるりと私の部屋を見回す。
確かに普通の家より物は少ないかもしれないが、布団と机さえあれば生活するには十分だ。
「チェッ、なんかつまんないネ」
「ねえ失礼じゃない!?失礼じゃないかな神楽ちゃん!!」
「お前に対しては失礼もくそもないダロ」
「ファッ!?」
通常運転の神楽ちゃんに絶句しつつ、
「そーいえばA」
「ん?」
ゴロンと一回転した神楽ちゃんは私の右腕を指さした。
「さっきからチラチラ見えてるけど、それ何アルカ?」
「へ?」
まっすぐさされたその方を見てみればちらりと見える――・・
「っ!!なんでもない!」
思わず隠すように神楽ちゃんから腕を背ければ、神楽ちゃんは首を傾げる。
「傷みたいになってたネ」
「こ、このまえ斬りこみでミスっちゃって・・!」
ヘラっと笑えば神楽ちゃんはそれ以上追及してこずになんとか納得してくれたようで。
「なんか眠いアル。おやすみ」
「え!?早っ!!!?」
どこまでもマイペースな神楽ちゃんに呆れつつ、ズキズキと痛む傷の下に覗くのは何度傷つけても消えてはくれなかった烏の刺青。
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神阿(プロフ) - ☆MARIN☆さん» ありがとうございます!!がんばります!!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 銀色ミカンさん» お返事遅れてしまってすみませんでした!勿体ないお言葉ありがとうございます!!がんばります!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
☆MARIN☆ - な、何かドキドキする展開になって来ましたね……! 更新頑張って下さい!! (2016年6月15日 17時) (レス) id: 8824379efa (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - お初にお目にかかります。この展開、めっちゃいい^^面白いです^^続きを楽しみにしています。がんばってください。 (2016年6月13日 15時) (レス) id: 220d4c1752 (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 奈々恵さん» ありがとうございます!話の内容はもう既に決定しておりますので暫しお待ちを! (2016年5月22日 17時) (レス) id: 3a209594c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2016年5月1日 21時