検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:12,925 hit

【中島敦】めりぃくりすます #2 ページ35

前のページの続き

☆☆



敦は急いでいた。

ショッピングモール、雑貨店、服屋……

色々なところをはしごし、Aちゃんに似合うものを探していた。

しかし、そう簡単には見つからない。

これがいいか、いや、違う。

やっぱりあれがいいか、いや、違う。

それの繰り返しで、気づけば辺りは暗くなり、赤、黄、青、緑など、色とりどりのイルミネーションがきれいに輝いていた。

「急がなきゃ」

時間がない。

12月25日、クリスマスは、もう、あと数時間だ。


ふと目に付いた雑貨店。

客はあまりいない。

人気がないのだろうか。

それとも

とても高いものが売っているのか。

どっちだろうと関係ない。

その店に敦は入った。

「いらっしゃいませ」

今までとは違う。

お店の雰囲気だけじゃない。

店員さんの雰囲気。

売り物の雰囲気。

全てが違う。

「見つけた」

Aちゃんに似合うもの。

Aちゃんが気に入ってくれるかわからない。

でも、敦は、

これだ

と確信していた。

終了まで、あと、3時間。


「Aちゃん……どこにいるの……」

携帯を持っていない敦は、連絡の取りようがなく、プレゼント片手に辺りを彷徨っていた。

あと、2時間。


「もう、外には出てないかな」

人気が少なくなり始めた。

いくら探してもいない。

辺りにいるのは、サンタの帽子を被った男女ばかり。

その中に、Aちゃんの姿は見つけられない。

あと、1時間。


「あっ」

見つけた。

ずっと探していた。

でも、Aちゃんは気付いていない。

「Aちゃん!待って!Aちゃん!」

やっと振り向いた。

『あ、中島さん』

「Aちゃん、僕、ずっと探していたんです。」

息を直しながら、途切れ途切れに言葉を探す。

『偶然ですね。私もです。ずっと、中島さんのこと、探してました。これ、どうぞ。』

「え、僕に、ですか?」

『はい。中島さんのために、作りました。』

「つ、作ったの?僕のために?」

『はい』

「ありがとうございます、僕からも、どうぞ。Aちゃんに似合うもの、買いました。」

『ありがとうございます。開けてもいいですか?』

「どうぞ。僕も、開けてもいいですか?」

『どうぞ。』


☆☆

続きは次のページへ

【中島敦】めりぃくりすます #3→←【中島敦】めりぃくりすます #1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 短編集 , 藍田玲音   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

藍田玲音 - お久しぶりです。作者です。藍田玲音です。長らく更新しておらずすみません、Twitterでは元気に生きてます。この作品、存在は覚えてますが、続きを書くほど余裕がありませんでした。 きっとこの先もその余裕はないと思われます。そういうことでした。また会う日まで。 (2019年12月15日 20時) (レス) id: 1ca41714e7 (このIDを非表示/違反報告)
藍田玲音 - 華南さん» ありがとうございます。これからも頑張ります! (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1ca41714e7 (このIDを非表示/違反報告)
華南 - 初めて見ましたが、とても面白いですね。これからも頑張って下さい。 (2018年11月25日 20時) (レス) id: a1ef0da689 (このIDを非表示/違反報告)
藍田玲音 - 荒らしはお断りだけどね。 (2018年11月22日 18時) (レス) id: 1ca41714e7 (このIDを非表示/違反報告)
藍田玲音 - ぽんちゃん、見たらコメントしてね、待ってるから。 (2018年11月22日 18時) (レス) id: 1ca41714e7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:藍田玲音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/marinerMARINER/  
作成日時:2018年2月18日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。