拾弐 ページ13
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探偵社員3名(中島、太宰、泉)は "彼女" に会うべく、昨日の森の前に来ていた。
相変わらず薄気味悪いが、1度来ている為 中島はそこまで気にならないらしい。
太宰は 「丈夫そうな良い木だねぇ」と微笑み
泉は 「歩きずらい…」と呟いた。
「ええと……」
敦はAに言われた事を思い出す。
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『紙に書いてある文を読み上げれば入れる。鳥居を潜る時はこの鈴を三回鳴らして…』
そう言ってAから渡されたのは 折り畳まれた紙と銀の鈴。
『鳴らさないと、タヒんじゃうから…気を付けてね』
「しっ……う、うん!」
物騒な単語に肩をビクつかせた中島の様子をクスクスと笑うA。
その鈴は 片手の掌で包み隠せる程に小さいものだった。
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現在、その紙を広げ 息を吸い込み
静かに太宰と泉が見守る中、詠唱を始めた。
「我、夜を司る神 藍弥に喚ばれし者……向かう道を示せ」
唱え終わり 中島は辺りを見渡した。
そして淡い光が、3名を包み込む。
目を開ければ、其処は この間の参道。
「敦君の云っていた通りだねぇ 」
「……静かな場所」
この場所に初めて来た2人は、辺りを見渡す。
そして、中島は安堵していた。
前に感じた 恐ろしい気配はしない。
唯、静かな空間。
歩いていくと、前回と同じく鳥居があった。
朱に塗られ、降り注ぐ陽の淡い光を纏うその姿は 息を飲むほどに神々しく美しい。
そんな中、太宰がふと口を開く。
「良い鳥居だね」
その一言で次に続く言葉を察した 中島は、ジトリと太宰を睨み付けた。
「ジサツはやめてくださいね」
「ちぇっ」
どんな場所でも、太宰治という男はぶれないのだ。
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七海@返事・更新滞ります(プロフ) - 月瀬さん» そう仰って頂けて何よりです。最後の感想失礼致します(よ、良かったです…、しょうもない案では有りますが使用して遣って下さい←← ませ。長文失礼致しました。若し何か御座いましたらボードで御知らせ下さいませ) (2020年1月5日 17時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 七海@返事・更新滞りますさん» 楽しそうです!え、書きたい…!← (2020年1月5日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
七海@返事・更新滞ります(プロフ) - 月瀬さん» いえいえ。二回目失礼致します。(そうですねぇ…。在り来りかも知れませんが……『泥棒』系統の噺何か如何ですかね…?(本当、この位しか出なくて済みません……)) (2020年1月5日 17時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 七海@返事・更新滞りますさん» ありがとうございますー!是非案ください! (2020年1月5日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
七海@返事・更新滞ります(プロフ) - 完結、御目出度う御座います…!(もう最後の最後迄、度肝を抜かれっぱなしでした…!案……出しても良いのなら、出してみたい所存なのですが…如何でしょうかね…??)長文失礼致しました。 (2020年1月5日 17時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まふ | 作成日時:2019年12月6日 22時