百七話 ページ7
〜ジェラルド〜
前回の件で思い知った
誰かが側にいなければAがまた傷付く
だからとりあえず、俺の部下を正式に紹介することにした
そうすれば、いざというとき、Aを守れる
名目はAにコート一式を渡すということにした
ジェラルド「A。右から順番に、ルイーザくん 牧師殿 ルーシーくん ラグクラフト マーガレットくん マーク ジョン ハーマン ポウ」
「る、るい……ルイージ」
マーク「ブファッ」
ジョン「それは別作品の緑の弟だね」
「横文字、難しい」
ルーシー「そうだわ。ルイーザじゃなくて、オルコットのほうで紹介してみたらどうですか」
ジェラルド「ふむ……。A。ルイーザくんではなくオルコットくんだ。覚えてやってくれ」
「……ん、覚えた。綺麗な名前」
ジェラルド「綺麗か?」
日本人、というよりAの感性だな
「だって、オルゴール。すごく綺麗だよ」
あの男からのプレゼントの影響か
Aにとっては数少ない宝物の一つ
マーク「俺達は言えるよね。マークとジョンだし」
「マイケルとジョーン?」
マーク「…………ボス。絶対わざとだよね」
ジェラルド「横文字が難しいだけだ」
まともな環境にいなかったせいで、簡単な言葉さえ満足に言えていない
本人は言えてるつもりらしく、俺がとやかく言うつもりはない
ジョン「ま、いいじゃん?あれよりマシだって」
「イエロー」
ジョン「一文字も被ってないポウくんと比べたら可愛いもんだよ」
ポウ「んー、A。イエローとはカールのことのはず。吾輩をイエローと呼ぶのはお門違いである」
「イエロー……?」
ポウ「ポウである」
「ポウ……?ポウ!」
ギルド『はぁ!!?』
ルーシー「どうしてこのコミュ障が名前呼ばれるの!?あたしなんて、メメよ!?」
ルイーザくんのように良い愛称を期待していたらしいが、Aにはかなり難しかったらしい
「乱歩さん、ポウ呼んでた。だから覚えた」
ジェラルド「あの名探偵か」
「乱歩さんの言うことは間違いなし」
ジェラルド「そうか」
一人ぐらい、そういう人間がいたほうがAを正しく導ける
迎えの時間が来たからと帰ろうとするAをつい、引き止めそうになった
なぜ俺は本来の目的も忘れて、こんなにもAに入れ込んでしまっているのか
知らず知らずのうちに特別になってしまっていた
この、小さくて簡単に潰されてしまう少女を
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作者名:まゆ | 作成日時:2024年2月9日 21時