百十五話 ページ15
〜敦〜
今日はホワイトデー
チョコをくれたAちゃんにお返しをする日
各々が準備をして、特にすごかったのは国木田さん
仕事の合間に雑誌を読み漁り、ネットを調べ
本気度が伺える
敦｢Aちゃん。おはよう。社長は一緒じゃないんだ｣
｢今日は寄るとこある言ってた｣
敦｢そうなんだ。あ、これ。チョコのおかえ……ぐえっ！｣
太宰｢やぁAちゃん。今日も白くて可愛いね｣
｢太宰。敦、踏んでる｣
太宰｢ん？あぁ！私としたことが。すまないね敦くん｣
敦｢い、いえ｣
目が笑ってない
一番に渡そうとしたことを怒っている
森｢Aちゃーーん。遅くなってごめんね。チョコのお返し、持って来たよ｣
十円チョコが百倍になった
フランシスは何万倍だけど
一番にお返しする、を、マフィアのボスに奪われてしまった以上、あげる順番など、どうでも良くなった
誰も彼も高級限定菓子を用意したにも関わらず、被ってないのが奇跡
乱歩｢わぁー、いっぱい貰えたね｣
｢ん……！｣
乱歩｢僕はね。Aがすっっごく喜ぶ物あげるからね｣
お菓子にしては随分と箱が大きい
乱歩｢開けてごらん｣
水色のリボンを解いて開けた箱の中からは、五十センチほどのぬいぐるみが出てきた
｢これは……｣
乱歩｢すーぱーもちもちDXの特大版｣
｢乱歩さん。本当にこれ、貰っていいの｣
乱歩｢Aの欲しい物ぐらい分かるよ。僕は世界一の名探偵だからね｣
｢あ、あの、ね。乱歩さん。あり……っあ、｣
乱歩｢A。ゆっくりでいいよ。伝えたいことあるんでしょ。ちゃんと聞くから｣
｢あり、がと。猫、くれて。すごく、嬉しい｣
乱歩｢自己満足のお返しなんてAが困るだけだからね｣
チラリとこちらを見ては盛大なため息をつく
乱歩｢せめて、買うならもっと期限が長い物にするのが常識でしょ。超少食のAに食べ切れるわけないじゃん。嫌だ嫌だ。Aのこと何も分かってないんだから｣
誰も何も言い返さない
お菓子なら絶対外さないとタカをくくっていたからだ
巨大な猫を抱きしめるAちゃんが可愛すぎて全員、可愛死という新種の死因に充てられている
中でも重症なのがマフィアのボス。言わずもがな
森｢あぁぁぁ、可愛い。あのAちゃんをギューって抱きしめたい｣
ドン引きを通り越して冷ややかな目を向けられながらも、願望を口にする勇気は賞賛に値する
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作者名：まゆ
| 作成日時：2024年2月9日 21時
