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九十九度目 ページ8

Aside





『まぁ、それはともかく。中也。』

「あ?」



『そこにいると撃たれるぞ?』




ジャキッ


私達にとっては聞きなれた物騒な金属音がした。

それも頭上から。


自動迎撃銃の銃口がこちらを向いていた。






「流石は武装探偵社ってとこだな。」


『ほら、さっさと壊しちゃいなよ。』


「へいへい。」




適当な返事をしたかと思えば、中也は地面を強く蹴って飛び上がり、あっという間に銃を壊した。

そしてその近くの監視カメラに向かって、挑戦的な口調で言った。




「特使の接待役がこんな木偶(デク)とは。泣かせる人手不足じゃねぇか、探偵社。生きてる奴が出て来いよ。」



__挑発が上手くなったもんだ。



『まったく...生きてる奴が出てきたって、どうこうするってわけでもないのに。』



「まぁ、いいだろ。ここのところ景気のいい仕事がねぇんだから。」


『確かに近頃、気苦労が多いのには同情する。』




私がいきなり帰ってきたことも含めて、一気に色々なことが起こりすぎて中也も疲れているんだろう。

この戦いが終わったら中也を少し休ませてほしいと森さんに願い出てみよう。







「この間買っておいた葡萄酒も失くなってたし...」


『あっ、悪い。それ私が貰ったんだ。』


「手前か!」


『紅葉姐さんと森さんに一杯やろうと言われたんだ。断れないだろう?』



__代わりに今度何か奢ろう。


__それじゃ、ありがたく。




そんな会話をしながら歩みを進めていくと、何やら人影が二つ。




『.....敵方のおなりだ。』

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作者名:メープル | 作成日時:2017年5月25日 16時

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