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九十六度目 ページ5
sideなし
「方向は...」
『こっちか？』
文室が曲がり角の右側を指す。
「ああ、反応を見る限り廃路線を通らねぇといけないみたいだな。」
『流石探偵社。面白い場所に逃げ場を用意しているじゃないか。』
＿＿
そう言う彼女の顔には黒い微笑が張り付いていた。
「廃路線へは...これか。」
中原が見つけたのは作業用らしき鉄製の扉。
存在感はマンホールとさして変わらない。
文室がその扉に手を掛けた。
ガコンと重々しい音をたてて、扉が開く。
先はよく見えないが階段になっていてそれが暗闇へと続いている。
彼女は階段の様子を一瞥すると言った。
『ごく最近人が通った跡がある。ここで間違いないな。』
「よし、行くぞ。」
『ああ。』
そして二人は暗闇に姿を消した。
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作者名：メープル | 作成日時：2017年5月25日 16時
