一章 二節 ページ4
「なんだよ」
俺がオダサクの前に立つと太宰治は下を向いてからもう一度俺を見て
「友人と同じ名前だったから驚いただけだよ」
そう言って笑った
「そうだ、先刻の怪物はなんだい?」
話を逸らすように太宰治は侵食者がいた場所を見る
「侵食者だ」
「この本の中を侵食しようとしてるんや」
「本?」
「ほら、彼処を見ろよ。文字が浮かんでるし、なんか変だろ」
そう言えば太宰治はチラリと視線を其方にやった後
「……本……この世界は本なのか」
そう呟きながら俺達を見る
「君達は何をしにきたんだい」
「ワシらはおっしょはん達に転生させてもらった文豪や。自分らの作品も侵食されよるからそれを止めてるんや」
そう言ってオダサクが刀を握る
「この世界もそのうちの一つや。この作品が世の中から消えよる」
「多分このまま侵食され続けたらお前らは無い存在になる」
そう言っている最中も太宰治は表情を崩さなかった
「……君達は、文豪だと言ったね。何故私たちと同じ名前なんだいだ」
「この作品が“文豪ストレイドッグス”って言うまんがらしい。小説もあったけど……なんでかは知らない」
「……判った。じゃあ君達に恐らくその侵食者と言う者達が見かけられた場所へ案内してあげよう」
そう言って太宰治は笑った
その笑顔がどうしても自分と似ている
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杏奴(プロフ) - こちらの小説を初期から読んでいました。完結しているようですが、番外編として文スト×文アルの短編集を執筆していただけませんか? (2020年3月17日 12時) (レス) id: 528c02e07c (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 長音_chinon_さん» ありがとうございます! (2019年10月19日 11時) (レス) id: ca9d24e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
長音_chinon_(プロフ) - 完結おめでとうございます!楽しかったです! (2019年10月18日 22時) (レス) id: a14d8293f8 (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 歴史馬鹿さん» ありがとうございます! (2019年10月14日 17時) (レス) id: ca9d24e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
歴史馬鹿 - リュカさん» ふふふふ新作おめでとう (2019年10月13日 21時) (レス) id: 9576c83dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュカ | 作成日時:2019年10月10日 11時