島田さんの恋愛事情

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CCG内では、私が隻眼の喰種だと知らないものはいない。
なのに何故、私のことを好きと言って来たのだろうか。

「何をしている」
「あぁタケさん。人間観察です」
「伊東をか？」

何故分かった。確かに見ていたが、何故分かった。

「目で追っていたぞ。気になるのか」
「タケさん怖い」

私に告白してきたその頭の中を見てみたい。

「昨日のことか？」
「昨日って？•••見てたんですか⁉」

恥ずかしい。死んでしまいたい。

「局内でそんな話をしていたら、誰かの耳には入る」

恥ずかしい。死んでしまいたい。

「知っているのは1部だけだが」

恥ずかしい。死んでしまいたい。

「し、仕事に戻ります•••」

穴があったら入りたい。1部だけでもダメだよ。



「凜花、ちょっといい？」
「はい？」

有馬さんに呼び止められた。
あれ、なんか嫌な予感がするな。

「真戸上等が殉職した」
「えっ•••」

あのクインケマニアが？
誰に？
真戸さんは苦手な方。上等に留まってはいたが、実力はある。

「20区のラビットという喰種だ。今度の水曜、告別式やるから。」

ラビット•••トーカのマスクは確かウサギだった。
もしかして、トーカが？ヒナミの仇？

「知り合い？」
「へっ？」

有馬さんは鋭い。
私に喰種の知り合いがいる事も分かっている。
けど、何故か見逃してくれている。

「わ、わかんなぃ」
「凜花」

ポン、と、有馬さんの手が頭に置かれる。

「帰ろっか。」

車へと向かう。

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