不器用.32 ページ32
貴「…ずっと憧れてるんです…」
三途「……」
貴「ドレスを着ること」
我ながら幼稚だと思う
小さな子がお姫様になりたい！って願うのと
変わらないような気がする
三途「ドレスぐらい、着たことあるだろ…？」
貴「…はい、あります」
春くんの言う通り
私は社長令嬢、という立場にあたる
運良く兄がいたので
後継は兄に任せて私は別の仕事
ブライダルアテンダーという職に就いた
昔から父の付き合いでパーティーにでていた
髪をセットして
色の着いたドレスを着てニコニコした
貴「私が着たいのはカラードレスじゃないんです…真っ白なウエディングドレスが着たかった…」
この歳になって未だに夢見てる
貴「あの仕事に就いたのも不純な動機です」
同僚や先輩方は
「人に尽くしたい」だとか
「新婦に心置き無く式を楽しんでほしい」だとか
素敵な動機を持って仕事をしてる
でも私は、私だけは違う
貴「ドレスを近くで見たい、って理由だけ…」
ドレスの着付けをする
ブライダルスタイリストとも迷った
でもスタイリストは着付けをしたら終了
お色直しのための準備をしたりと忙しくて
着ている姿を見れるのはほんの一瞬
だから私は傍にいられる
ブライダルアテンダーを選んだ
つまらない動機でしょう？
貴「ドレスを近くで見て…大好きな人と結婚できる新婦を見て…ずっと羨ましくて…」
想っているだけじゃなくて
お互いに想いあっている…
私もいつかこうなりたい、って
勝手に想像していた
貴「今でも、着たいって思っちゃいます…ウエディングドレス…相手もいないのに恥ずかしい話ですよね」
自分でも呆れてしまう
思わず苦笑する
三途「……A」
貴「はい、なんです…っ」
不意に呼ばれて彼の方を見上げれば
顎を支えられ腰を引き寄せられる
気が付けば
唇が重なりあっていた
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咲良(プロフ) - Yさんさん» 何回も読んでいただけていることに感激です……嬉しいコメントありがとうございます！ (1月1日 17時) (
レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
Yさん(プロフ) - ホンマにこれって何回読んでも神すぎて好きです♡不朽の名作ってやつ！？好きーっ♡ (12月29日 22時) (レス) @page41 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なるせさん» ありがとうございます！場地さん最後になっちゃいました…他の作品が完結したらすぐ書き始めるのでお待ちください…！ (2021年12月17日 0時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ - んんんん好きです!!んと場地さんのが見たいです!!順番最初だと嬉しいなあ、、!? (2021年12月16日 22時) (レス) @page37 id: 875c8ad43b (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - おふとんさん» ありがとうございます！勢いがすごい！笑 (2021年12月12日 23時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山口咲良
| 作成日時：2021年11月12日 17時
