本丸散歩道。 ページ9
乱姉様の言葉と可愛くしてもらった髪に気分を良くした私は、
兄様方にお声掛けしたが、みな用事があるとのことだったので
探索がてら、一人で本丸を散歩してみることにした。
この本丸には、沢山の棟があってとても広い作りになっている。
大広間などのある母屋からずいぶんと離れたところまで来ると、庭から何やら物音がしたので見てみることした。
壁の陰に隠れて覗くと、とても大柄な男士ととても小柄な男士が戯れていた。
???「あはは!つかまえてみてください!岩融!」
???「がははは!今剣はすばしっこいなぁ!」
どうやら、大柄な方が「岩融」。小柄の方が「今剣」というらしい。
なんだか二人のやり取りが微笑ましく、しばらく見つめていると
今剣「...?なんだかしせんをかんじませんか?岩融。」
岩融「確かに感じるな。ん?あそこに少女がいるぞ。」
存在だけでなく居場所までばれてる!!逃げた方が良い...?
などと考えている間に、ぴょんぴょんと今剣さんが跳んできた。
今剣「こんにちは!ぼくは今剣といいます。こちらは、岩融。
あなたは...あたらしいとうけんだんし、ですか?」
『わ、えっと私は新しく顕現した刀剣「女士」です。A藤四郎と言います。』
岩融「刀剣「女士」か!これは珍しいな!」
今剣「すごいです!たほんまるではたまにあることだとあるじさまからききましたが、
ほんものははじめてみました!」
お二方に物珍しそうに見られて固まっていると、不意に今剣さんに手を引かれ
陽の下にさらされた。
今剣「よければ、いっしょにあそびましょう?」
つぶらな瞳に見上げられれば断れるはずもなく。
その後、お昼時になるまで一緒に鬼ごっこなどして戯れた結果
(こんなに動いたのは生まれて初めてで物凄く疲れましたが、)
お二方に物凄く懐かれました。
そして、
今剣「もうおひるどきですね。おなかがすきました。」
岩融「そうだな。では、戻って昼餉を食べよう。」
『では、私は戻りますね。』
今剣「えぇ!もうですか?もうすこし...あ、そうだ!いっしょにひるげをたべませんか?」
岩融「おぉ!それはいいな!」
『え!いいんですか?!』
ラッキー隊長
小夜左文字
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作者名:杜 | 作成日時:2024年1月2日 1時