すきなものの食べかた:05 ページ5
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『 ありがとう、助かりました.. 』
「 おう、それならよかったわ 」
1限目の古典が終わり、
治くんに借りた教科書を返すため
1組までやって来た。
このクラスには知り合いがいないし、
かといって治くんを自分で直接呼びだす
勇気は持ち合わせてなかったから、
たまたま通りかかったスナ?くん?に
治くんを呼んでくれるか頼んだら、
何故か三度見くらいされて、治くんを呼んでくれた
顔に何かついてたかな
「 なんかごめんな、侑が困らすようなことを 」
『 え?ああ、いや大丈夫! 』
" 侑が困らすようなこと " の、
心当たりが多すぎて、教科書のことだか
昨日の夜に侑が私にした話のことだか、
よくわからないけど治くんに謝られたら
返ってこっちが申し訳なくなってしまう。
「 あんなのが隣の席とか大変やろ 」
『 はは...まあそれ言うたら治くんも
一緒に暮らしとるし家でも大変やろ? 』
「 まあな、でもおらんかったら
おらんかったで退屈やしな 」
『 へえ、仲良しなんやね 』
仲良し、という言葉を耳にすると
ううん、と納得がいかないように唸る
治くんの姿が面白くて、思わず笑ってしまう
実際仲良しなんだろうな、このふたりは
『 あ、これ、お礼ってほどのものやないけど 』
「 え、俺に? 」
休憩が終わる前にと急いで売店まで
走って買ってきた、治くんの好物だと
聞いたプリンを彼に差し出すなり、
キラキラした目でプリンを見つめる治くん。
『 侑から治くんはこれが好きだ、って聞いて 』
「 おお.. 嬉しいわ、ありがとうな 」
そう言って、
本当に嬉しそうに笑ってくれるから
こっちまで嬉しくなってしまう。
よかった、喜んでもらえたみたいで。
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『 ドーゾ 』
「 え 」
自分の机に突っ伏している
金髪に奴が欲していたものを乗っけると、
素晴らしく間抜けな声を発してプリンを
目にするなり、私とプリンを交互に凝視してきた。
「 なんやこれ 」
『 欲しい、って言ってたから 』
「 くれるんか 」
『 いらんのやったら私が食べるけど 』
「 いや俺が食うけど どしたん?熱ある? 」
『 ない 』
「 なんやこの優しさ怖いな、
明日槍振ってくるんとちゃうか 」
腹も立つけど、確かに侑がいなかったら
こんなにも治くんを意識してなかったし
今日だって話せなかったかもしれない。
『 うるさい 黙って食べろ 』
「 おおきに〜Aはん〜 」
もう少し、治くんを知りたい
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました!最後までキュンキュンしながら読みました! (2021年8月5日 15時) (レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです!本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します!!終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です!宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした!これからも頑張ってください! (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜!!そういっていただけてとても嬉しいです;;;; (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈕 | 作成日時:2018年2月3日 17時