すきなものの食べかた：14 ページ14
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治に言われた通り、頬を撫でる冷たい風を
凌ぐように、マフラーに顔を埋めながら、
体育館の外で治を待っていた。
昨日も治と帰って、今日も治と帰るんだな。
なんだか落ち着かなくて、
なんとなく空に向かって吐いた息は真っ白で、
すぐさま角名くんに言われた言葉を思い出す。
どうしよう、完全に治のこと意識しちゃってる
しばらくすると、部室棟の方から
複数人の話し声が聞こえてきて、
3年生らしき人の集団が近付いてきてるのが見えた
「 あ、お疲れ 」
『 お、お疲れ様です 』
私に気づいた、背の高い、
外国人みたいな人にそう声をかけられ、
なんだか緊張して声が裏返った。
お疲れ、って私は何もしてないんですけどね。
「 マネやってくれるん？ 」
『 えっと… 』
この質問、この数時間だけで何回目だろう
まだやろうって決めてないし、
そもそも侑が突然した言い訳のことだし…
「 おい、困っとるやろ 」
口を開いたのは さっきの圧力のある先輩で、
そんな私を見て、質問してきた先輩は
苦笑いでごめんな、って謝ってくれた。
「 うちはマネがおらんから、無理にとは言わんけど
やってくれたら助かる。仕事は大変かもしれんけど、いつでも歓迎するで 」
なんだか怖そうな人だと思ってたけど、
そうでもないのかも。しかも、近くで
見たらかなりかっこいい人だな。
一瞬ではあるけど漂った、どことなく
優しさのある雰囲気と、柔らかい話し方に、
返事もできず、ただ首を縦に振ってしまった。
じゃあ、と校門に向かって
歩き始める先輩たちに頭を下げて、もう一度考える。
なんだかいい人たちが多そうだな、
どうせバイトとかも特にしてなくて、暇人だし、
誰かの役に立てるなら、マネージャーやってもいいかもな。
「 A、」
突然 声をかけられ、振り返ると、
部室棟から急いで走ってきたのだろう、
前髪がとんだ状態の治がいた。
「 ごめん、遅なった 」
『 全然、寧ろゆっくりでも大丈夫だったのに 』
「 いや、こんな寒いのに待たせられへんから 」
私の歩幅に合わせて、
そんな会話をしながら学校を出始める。
『 治、前髪とんどるよ 』
「 え？ほんま？ 」
私の言葉に珍しく慌てた様子で反応して、
手櫛で前髪を整える治の姿がなんだか
可愛くて、思わず笑ってしまった。
「 ？まだどっかへん？ 」
『 ううん、直ったよ 』
うん、もう少しそばで、彼を見ていたいもの、
マネージャーやろう。
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました！最後までキュンキュンしながら読みました！ (2021年8月5日 15時) (
レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです！本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します！！終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です！宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした！これからも頑張ってください！ (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜！！そういっていただけてとても嬉しいです；；；； (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈕
| 作成日時：2018年2月3日 17時
