【妖怪ウォッチ】ばすたーずはじめました！

ばすたぁずってスゴイ！ ページ10

自信満々に自分の名前を言い放ったAに、エンマは更に深いため息をつくしかなかった。

「まぁまぁエンマ様。ちゃんと策はあるんですよ」

「...策？」

「ええ。ここは、私の...その、...。知名度の低さを利用するです！！！」

Aが若干泣きそうな顔で提案したのは
認めたくないはずだった知名度の低さ。
理解出来ないエンマは、眉間にシワを寄せつ小首をかしげた。

「つまりですね。私がばすたぁずチームを作り、そこにシークレットメンバーとしてエンマ様に入隊頂きます！ほら、その、私は知名度が低すぎて誰も副議長をしてるだなんて思ってないでしょ？...ただの役人妖怪としか思ってないでしょう？そりゃあそうですよ。だって私契約社員ですからぁ！！！」

「な、泣くなよ。そんな気にしてたのか？」

「ううっ、イイんです...。その、知名度ひぐざがぁ、おや、おやぐにたてるのなら...」

知名度の低さは、エンマの想像以上にAの心を抉ったようだった。
ズビズヒ鼻をすすりながら続けたその提案。
つまり、知名度が低く...Aがぬらりひょんや、エンマの側近的存在だということを知るのは極わずか。
そんなAがバスターズを結成しても、誰も何も言わないのだ。

「という事で、私が、受付や事務処理。協会からの取材、書類提出等、顔の出る表向きな仕事をして...エンマ様には実質的な、ばすたぁず活動をしてもらおうという寸法です。あ、でもそれなりに変装していただく事になりますが...」

「で、でも。確実無理あるだろそれ...」

「いえ！決して無理ではないのです！...ここは、ばすたぁず協会が定めた規定とやらを使わせてもらいます」

Aはチーーン！！とおっさん並みに鼻をかんだ後でニヤリと策士な笑みを浮かべた。

現バスターズ協会が定めた、新チーム設立の際の規定。
それは、至って簡単なもので
提出に必要なものは、代表者の妖怪履歴書と妖怪メダルのみ。
隊員となる者の身分書類は代表者が提出する簡易なもので通るのだ。

「え！？そうなのか！？」

「はい。という事は、私が代表者となる事で、エンマ様の身分書類は捏造可能！！全てまるっと解決。という事になります。そして発足後、謎の妖怪が属するばすたぁず。というミステリアスな雰囲気を醸し出すことが直接的なマーケティング戦略にも繋がる！！要は、売り出し文句になるってことです！！」

カッ！と効果音がつきそうな程目を見開いたAに、エンマはゴクリと生唾を飲み込んだ。

ばすたぁずってスゴイ！→←ばすたぁずってスゴイ！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す