拾伍、便りの話 ページ18
奥州への出前を始めて数日後。
「A殿ー!」
『幸村さん?どうしたんですか?』
「奥州からの出前の注文と共に、A殿宛の便りが届いていたのでござる!」
『まじっすか』
さっそく便りを開く。
便りは達筆で書かれている。
どうやら小十郎さんからのようだ。
《先日は政宗様の無茶を聞き入れてくれてすまなかった。感謝している。
俺からも1つ出前を注文したい。
奥州には「農民一揆衆」なる集団が存在して、俺も農業をしているだけあって関わる事は多々ある。
その集団をまとめているのは齢7のおなごで、俺はいつも頑張っている彼女に何かしてやりたいと思った。
そこで政宗様が『何かpresentしてやれば良いんじゃねえか』と仰られたのを参考に、何か甘味を贈ってやろうと思う。
幼い子が食べられるような甘味を宜しく頼む》
ほお。子供向けの甘味……ねー。
やっぱ金平糖かなー……
あーでも、金平糖は時間かかるもんなー。
どうしよ……あ、林檎飴なんてどうだろう。
縁日とかで売ってるような。
あれだったら林檎に砂糖を溶かしたもの……いわゆる溶けた飴をかけて、固まるのを待つだけだもんね。
そうだ、そうしよう。
(^o^)<ジカンススムノハヤスギトカイワナイデー
『完成ー!!』
初・林檎飴だけど、わりと上手く出来た方だと思う。
これを幸村さんに用意してもらった使いの者さんに持っていってもらって、小十郎さん経由でその女の子に渡してもらえればいい、というわけだ!
数日後。
(^o^)<ジカンススムノハヤスギトカイワナイデー(2回目)
奥州から便りが帰ってきましたー。
どうやらその例の女の子はいつきという名前らしい。
いつきちゃんは、うめえうめえと言いながら林檎飴をかじってくれてたそうです。
んー、いつかいつきちゃん本人に会ったときは作りたての甘味を食べさせてあげたいなあー。
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胡蝶 - 面白い話でした。和菓子好きの人には見てて面白いと思います。コレからも頑張って下さーい。 (2018年3月27日 16時) (レス) id: 4f8ad5540f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^読んでて、和菓子が食べたくなりました^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年9月27日 22時) (レス) id: 5527d24af4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:守川 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miamia251/
作成日時:2016年8月1日 14時