QuizKnock 短編集2

やくそく！izwさん ページ38

【おっきくなったら、けっこんしよ！】

【うん！！したい！】

あぁやって言われたんだけどなぁ。

愛しの愛しの伊沢さんからは、一向に愛のプロポーズの気配がない。

まだとってあるよ、あの時もらった、モールで作った指輪。

約束、忘れちゃったのかなぁ。

子どもの時の話なのに昨日の事のようにずっと覚えている私は、もう社会人だ。

『そんな思い出、無くした方がいいよなぁ』

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「あのさ」

『はぁい』

「なんかさちっちゃい頃」

『んん？』

「けっこんしよ、とか言ってたよね」

『あ、あぁ、言ってたね、覚えてたんだ』

まさか伊沢さんがこのことを覚えているなんて。

「忘れたこと無かったよ」

『へ、？』

「覚えてないと、言えないじゃん」

「結婚してください、とか」

『う、うん？』

「もー。物分り悪いなぁ。こういうことだよ

もうその気じゃ無くなったとか、言わせないから」

そう言って出されたのは、本物の結婚指輪。

「これだけじゃね、物足りないでしょ」

そういって大事そうに取り出したのはあの時お揃いで持っていたあの指輪。

『まだ、あったの、、』

唖然としている私に笑いかける伊沢さん。

『私で、よければ、、』

忘れなくて、よかったんじゃないか。

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『私、ずっと待ってたんですけど』

「ごめんごめん、なかなか言えなくて」

「断られるの怖かったんだ」

『昔からけっこんしよって言ってたじゃん』

「Aの事だし忘れてるだろうなって」

『片時も忘れたこと無かったわバカ。

...嬉しかったんだから、信じてたし。』

「はは、かーわい」

遠い昔の約束が叶った、

1組の夫婦の話。

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