澄み渡る空は 2

y side ページ33

俺は、あれからスーパーに向かい、
必要な食材を買い揃えた。



スーパーを出て、歩道橋の上で、
太輔に電話をかけた。


ﾌﾟﾙﾙ...
f｢...もしもし、わた？｣

y｢うん。食材とかは、買ったんだけど、

何か他に欲しいものある？｣

f｢...宮田がね、まだ本調子じゃないから、

スポドリと、ゼリーとか食べやすいもの買ってきて欲しい。｣

y｢おっけぃ、この後、コンビニ寄って、帰るね。｣

f｢うん。ワタ、気をつけて...

その時、誰かが俺の肩をトンッとした。




振り返ると、

ジャケットフードを深く被った人がいて。

千賀が着てたものと同じものだった


y｢...せんが？｣

その瞬間、ドンっと押された。


y.....わぁっ！

自分のすぐ後ろが階段であった事に気づいたのは、

そのあとの事だった




俺は階段を転がり落ちた──────────





f side

ワタと電話をしていて、

買ってきて欲しいものを伝えて、


気をつけて帰ってきてね。って伝えようとしたんだけど、



渉の悲鳴が聞こえた。
f｢...わた？わた？！どうしたの?!｣




呼びかけても反応がない。
何かあったに違いない。




俺は、すぐさま、家を飛び出そうとした。

ki｢...おい！どこ行くんだよ。｣
f｢...っ、...渉がっ、...｣

家を飛び出し、渉の元へ向かって走った。






ki｢...ﾊｧ...1人で行かせる訳にはいかねぇーだろ。｣

直ぐに、俺の所まで北山が追いついて、
俺に上着を羽織らせた。




それからは、2人で向かった。



歩道橋の元へ着いた。

そこには、人だかりと、救急車が止まっていた




俺は、すぐさま救急車の元へ走り出した。

f｢...あの！渉は、！｣

救｢...お知り合いの方ですか？｣



ki｢...はい、知り合いです。付き添っていいですか？｣


救｢はい、お願いします。｣

北山が代わりに話してくれて。

俺らは、救急車に乗り込んだ。



搬送されている間も、

なかなか安定せず、危うい状態みたいで、、

f｢...わた！わた！...っ、わた！｣


俺は、不安で不安でずっと叫んでいた。


そんな俺を、北山は、ぎゅっと包み込んでくれて。


ki｢...大丈夫だよ。...だいじょーぶ、だいじょーぶ...｣






病院に着くと、

渉は処置室へと運ばれていった。


その瞬間、俺は、崩れ落ちかけた。


ki｢...おっつ、｣

俺を北山が支えてくれて、ベンチに座らせてくれて



不安で不安で押し潰されそうだったが、

ずっと俺の隣に北山がいてくれて、

それだけで心強かった。

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