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フィンラルの部屋までもう少しという所でオーヴェンさんは突然足を止めて、手に持っていたカバンの中を漁り出した
オーヴェン「…しまった、さっきの部屋大事な物を忘れてしまった!」
『?』
オーヴェン「すまないが先に行ってくれるかい?私も直ぐに戻るから」
『別に構いませんけど…あたしが取りに戻りましょうか?』
その方が早いのでは?と思ったのだがどうやら彼にしか開けられない棚の物らしく、それなら仕方ないのでカバンだけ受け取り先にフィンラルの部屋に向かった
『そういえば、昔あの棚開けようとしてオーヴェンさんにめちゃくちゃ怒られたっけ』
彼の仕事部屋にはいくつか薬草や魔法薬の類のものが入っており中には超危険物や超希少な物も含まれる
薬と毒は表裏一体らしく猛毒から得られる薬や薬から作れる毒があるらしい
そういう系にとことん疎いあたしなのであまり詳しくは知らないが…
『っと、ここか…』
考え事をしているうちにフィンラルの部屋の前に着いた。
返事は期待しないが一応ノックをしてから扉を開いた
『しつれーしまーす…』
なぜだか多少の緊張をしつつそっと中に入る
さながら
『……まだ起きてない、か』
バタン、と閉まる扉の音がやけに大きく聞こえた
窓際にあった椅子をガタガタと騒がしくフィンラルの眠るベットの脇に移動させ、その上にそっとオーヴェンさんのカバンを置くと自分はベットの上にボスンと腰を下ろした
『……』
ギッと鈍い音がしたベットは何度かあたしとフィンラルを軽く弾ませたあとうんともすんとも言わなくなった
『…はぁ、何やってんだあたし』
自分以外の音がしない部屋が急に怖くなったとか…子供か?あたしは
『それもこれもフィンラルが起きないせいだわ。目ぇ覚めたらぶん殴っとくか』
全くの八つ当たりではあるが、どうせ目が覚めたら覚めたですーさんの
『だからさっさと目ぇ覚ませバーカ』
ベチッとおでこに手を乗せて魔力を込める
左腕の文字がひかりフィンラルの身体へと移ると次いで魔力を注ぎ込む
『……ッ』
アスタの時も話したが[治す]ではなく[治させる]あたしの魔法でどれだけ回復するかは分からないが何もしないよりはマシだと思いしばらく魔力を注ぎ続けた
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セツナ(プロフ) - 面白くてサクサク進みます!次の更新も待ってます!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page10 id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 漫画・声優・アニメ・ゲーム大好きリカント(夜李)さん» ありがとうございます!がんばります(`・ω・´) (2020年8月21日 1時) (レス) id: 91565c1f3e (このIDを非表示/違反報告)
漫画・声優・アニメ・ゲーム大好きリカント(夜李)(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2020年8月19日 22時) (レス) id: 7e6458e2b5 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - music2さん» ありがとうございます!亀更新ではありますが皆様の期待に応えられるようにがんばります( ^ω^) (2020年5月18日 17時) (レス) id: 91565c1f3e (このIDを非表示/違反報告)
music2(プロフ) - 面白くて一気に読み進めちゃいました。更新頑張ってください! (2020年5月18日 1時) (レス) id: 21f716fae7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾鷹 | 作成日時:2018年3月4日 0時