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「うげ、バスケ部舐めてた…。」
 思わず顔が歪んでしまう。こんなにいるなんて聞いていない。

 今日は所属部活の決定日。
 一年生が数日の体験入部を経て、希望先へと入部願を提出するのだが、なんでも、男バスマネの希望者には面接があるらしく。清掃終了後体育館前に来い、という通知にこうして集まったのだ。
 ……正直騙された、いや本当に。この場で叫ばないだけわたしは優秀だろう。来た道を戻るように歩き出した。
 噂のイケメン効果か、単にバスケの強豪だからか。そういえば、他学年も今日が部活の手続きらしく、先輩の姿も確認したのだが。

 一体どんだけ人気なんだ、バスケマネ!

 見学の時も人が多かったなあ、と思わないでもないが、「見ろ、人がゴミのようだ!」とつい言いたくなるほどではなかった。体験入部なんてもっと人数が少なかった。

 かくいうわたしも、部にあのカラフル頭(キセキの世代、というらしい)の誰1人もいないと知ってから、行ってはいないのだが。(ちなみにスタメンの皆さんは顔出しこそしているが、体験は2軍のお世話だった。2軍の先輩はいい人だった。)

 それがどういうことだ?面食い女子はやっぱり多いということか。クラスの友達に引っ張られて来たわたしが言うことでもないけど、それでいいのか…?

 ちなみにわたしは、ゴメンだ。
 あんな群衆に紛れるくらいなら、この先の内申点が悪くなろうとも帰宅部をとる。(中学でバレーをしていたから、と見に行ったバレー部は肌に合わないと直感したので却下だ。女バスは興味があったけど以下同文。)そもそもあれだけの人数がいれば、友人だって何とかするだろう。顔も可愛い。ノープロブレム。

「っわ!?」
「んっ!!!?」

 余計なことを考えて前を見ていなかったのが悪かったらしい。角から出てきた人影に気付かなかったわたしは、助走付きで思いっ切り衝突してしまった。……倒れる!次にくる衝撃と相手を押し潰す罪悪感に一瞬目を閉じるが、しかし相手はぶつかられた気配というか、身じろきこそしたものの、50kg台はあるわたしの捨て身の一撃にも微動だにしない(ここは笑うところだ)

「すいません大丈夫ですか!!?」
「あ、大丈夫ー。」

 おや、背が高い。今時の男子にしては珍しいと謝罪すべく顔を上げ、そして固まった。

「アレ、…そんな急いでどったの?」
「あー…えっと。」

 よりにもよって。わたしの思いはこの一言に尽きる。心なしか目の前が暗くなる錯覚を覚えた。

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えすこ。(プロフ) - 悠。さん» (1年以上返信できずにすみません。)ありがとうございました。勢いで書き上げたような作品でしたが、楽しんで頂けていたら幸いです。 (2021年1月14日 0時) (レス) id: 8ffa707d4f (このIDを非表示/違反報告)
悠。(プロフ) - すごく面白くて1日で全部読んじゃいました。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: 3af2e99db8 (このIDを非表示/違反報告)
えすこ。(プロフ) - さっこさん» 有難うございます。自分のやりたいように書いてきたので、楽しんで頂けたのなら幸いです! (2019年3月30日 10時) (レス) id: f79f31091d (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - お疲れさまでした!主ちゃんがどんな台詞を返すのか...毎度ドキドキハラハラ、楽しませていただきました! (2019年3月29日 12時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
えすこ。(プロフ) - 白浪美鎖@更新遅さん» カッコいいと思って頂けたのなら幸いです。無事完結まで漕ぎ着けられたのも白浪美鎖さんの応援あってこそです。お付き合い下さり本当にありがとうございました! (2019年3月22日 0時) (レス) id: f79f31091d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えすこ。 | 作成日時:2016年12月31日 22時

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