16 ページ17
.
「遅い。」
開口一番。花宮さんはわたし達を見るなり不機嫌そうに呟いた。これまだ怒ってませんか。
「別に、そういうんじゃないよ。花宮は待たされるの嫌いだから。」
「ああ、なるほど。」
根に持っている訳ではなく新たな種によって不機嫌になっている、と。それはそれで問題ですけど、説教の雰囲気もないのでひとまず安心だ。…、…ホクロさんにはもう突っ込まない。
「ていうか瀬戸起きてんの珍しーね。」
「さっき花宮に起こされていた。」
「なんで花宮なら起きんだよお前…。」
「さあね。」
ホクロさんの名前も判明したところで、原さんが先に腰を下ろす。行き先が分からず呆然と立っていると、山崎さんが座った原さんとの距離詰めてくれた。とんとん、と来いって教えてくれる山崎さん。優しい。有難くそこに座って、少しばかり崩れてしまったお昼を広げた。
「急に呼び出して悪かったな。」
「あ、いえ、山崎さんが呼んだんですか？」
「いや、最終的には花宮。けど発案が俺。」
「なるほど。」
発案が俺だから謝る、という事ですね？くっ、優しさが身に染みる。
当の呼び出した本人は悪いとも思わぬ顔で食事…じゃなくて、チョコを食べていた。えっ、アレは確か、100%カカオのチョコレート…？(ちなみにわたしは80%が限界)そんなものを平然と食べる花宮さんはやはり悪魔か鬼なのでは。
「あ？なんだよ。」
「ひ、あっいや、それ100%カカオのチョコですよね。」
「うん、そうだけど。それが？」
「美味しいんですか…？」
「食べてみれば。」
「え。」
パキンといい音を鳴らして差し出されたチョコ。見た目だけならビター色だが、これは悪魔の食べ物である。80で限界のわたしが、100に挑戦するなんて…いやでも、花宮さんの視線が怖い。断ったら次こそ殺されるかもしれない。
再び絶対零度の目をした花宮さんには勝てる気配もなく、潔く腹を
「いただきます！」
「あーあ。」
「正直花宮のこれは理解出来ない。」
「冗談で食べるものではないな。」
わたしが口に入れたのを確認してから一斉に喋り出す霧崎第一バス…にっが！まっず！
「ん゛！！？」
「ふっはｗｗ」
楽しそうに笑う花宮さんは、悪魔だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えすこ。(プロフ) - 悠。さん» （1年以上返信できずにすみません。）ありがとうございました。勢いで書き上げたような作品でしたが、楽しんで頂けていたら幸いです。 (2021年1月14日 0時) (
レス) id: 8ffa707d4f (このIDを非表示/違反報告)
悠。(プロフ) - すごく面白くて1日で全部読んじゃいました。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: 3af2e99db8 (このIDを非表示/違反報告)
えすこ。(プロフ) - さっこさん» 有難うございます。自分のやりたいように書いてきたので、楽しんで頂けたのなら幸いです！ (2019年3月30日 10時) (レス) id: f79f31091d (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - お疲れさまでした！主ちゃんがどんな台詞を返すのか...毎度ドキドキハラハラ、楽しませていただきました！ (2019年3月29日 12時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
えすこ。(プロフ) - 白浪美鎖@更新遅さん» カッコいいと思って頂けたのなら幸いです。無事完結まで漕ぎ着けられたのも白浪美鎖さんの応援あってこそです。お付き合い下さり本当にありがとうございました！ (2019年3月22日 0時) (レス) id: f79f31091d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えすこ。 | 作成日時：2016年12月31日 22時
