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 中学最後の年。
 初めて見た試合は、わたしに言葉を尽くしても足りない衝撃と感動をもたらした。

 ああ、言葉を失うってこういうことか。
 弾むボールから、選手の一挙一動から、片時も目を離せないでいたわたしは、その試合の1秒1秒に圧倒されていた。息を、忘れていた。


「お願い、イケメンだらけだって噂なの!」
 合掌に続けて、頭を下げた友人が言った。曰く、イケメンを見たいが1人では心細いのだと。

 いや、自分でなんとかしなよ…と本心は言えず。「いいよいいよ、わたしも気になってたんだ。」などと愛想笑いで答え、興味も無いまま引きずられてきたが、こんなに圧倒される競技だったなんて。

 選手の熱気が逃げ場を無くし、上の席へと伝染していく。言いようのない興奮に自然と胸が高まった。手から離れたボールがネットを揺らすことなく得点を重ねれば、ざわついた観客が一際大きく声を上げ、わたしも釣られて溜息を零す。
 言いたいことは山ほどあるのに、どれもが音には変わらない。

「バスケ、すごい。」

 ようやく絞り出した一言は随分と単純で。でも、それ以上に言葉なんて見つからなかった。バスケ、すごい。それ以上でもそれ以下でもない。
 ふと、黄色い声援に夢中だった友人が、わたしに気づいてこっちを見て得意気に笑う。

「ね!バスケってすごいでしょ!」

 嘘つけ、あなたは選手の顔が目当てだったでしょ。





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「111-11」

 その日見た得点が、綺麗に並んだ数字が、やけに視界に焼き付いていた。

2→←あてんしょん。



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えすこ。(プロフ) - 悠。さん» (1年以上返信できずにすみません。)ありがとうございました。勢いで書き上げたような作品でしたが、楽しんで頂けていたら幸いです。 (2021年1月14日 0時) (レス) id: 8ffa707d4f (このIDを非表示/違反報告)
悠。(プロフ) - すごく面白くて1日で全部読んじゃいました。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: 3af2e99db8 (このIDを非表示/違反報告)
えすこ。(プロフ) - さっこさん» 有難うございます。自分のやりたいように書いてきたので、楽しんで頂けたのなら幸いです! (2019年3月30日 10時) (レス) id: f79f31091d (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - お疲れさまでした!主ちゃんがどんな台詞を返すのか...毎度ドキドキハラハラ、楽しませていただきました! (2019年3月29日 12時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
えすこ。(プロフ) - 白浪美鎖@更新遅さん» カッコいいと思って頂けたのなら幸いです。無事完結まで漕ぎ着けられたのも白浪美鎖さんの応援あってこそです。お付き合い下さり本当にありがとうございました! (2019年3月22日 0時) (レス) id: f79f31091d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えすこ。 | 作成日時:2016年12月31日 22時

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