戦い済んで、日が暮れて。2章【血塗られし彼岸花本編】【銀魂】 (ページ7)

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緊急命令【夢沢夏美】ページ7

蒼司が怜南のところに辿り着くほんの少し前

蓬菊を通して総長に異変が起きた事を伝えられた菖蒲隊は焦っていた

｢淡雨族…｣

聞いたことは無いが恐らくは天人であろう名は、対全体に伝わる

だがそれと同時に彼等は総長を助けられない危機的状況に陥っていた

(総長さんを助けには行きたいけどー…まずはこっちだよねー

でも終わるまでに何人が生き残れるかが鍵になるー……さてどうしよう)

「考え事かい？お嬢ちゃん」

｢ぐうっ…！｣

夜兎の、恐らくは率いるリーダーが私に向けて蹴りを1発

｢信乃ちゃん！｣

あたふたしながら蒼司君は私の傍に駆け寄る。夜兎の蹴りって物凄く痛いのね

「大丈夫、だよー…1発くらい貰ったってー」

フラフラしつつ再び立ち上がると男は少し哀れみを帯びた目で私を見た

｢殊勝なこった。淡雨族のあの女の為にそこまで戦えるとはな｣

「総長さんは、負けない強い人だよー…」

｢だがもう時間が無いだろうな｣

時間？と聞くのもおかしいとは思ってるが一応聞いた。男はこう答える

｢あの女にはまだ力を使いこなせていない。それ故に力の暴走で壊れるかもな…特に、女の兄貴…遼太郎っだっけか

そいつにボコられて殺られるか、自らを殺めて周りをも殺すかの二択だ｣

そんなに…強いのかな、お兄さんは

｢隊長さん｣

「あ？どうした？」

｢…緊急命令、出してもらっていいですか？｣