第３話 小湊亮介 ページ5
私がマネージャーを始めて数日経った。
私の家は、青道に近い。
それは少し、語弊がある。
なぜなら、私の家は青道のほぼ目の前にあるからだ。
だから急いで帰る必要はない。
今日も、午後練習が終わって貴子先輩達が帰っても私は残りの片付けをしていた。
「あれ、時屋さん帰ってなかったの？」
「お、小湊君…と、小湊先輩？」
「あぁ、１年の」
お互いがお互いを認識したところで、微妙な空気が流れる。
クラスで１番話すのは小湊君だけど、先輩の小湊亮介先輩とは大して、というかほとんど話したことがない。
要するに、気まずい。
「何してるの？早く帰りなよ」
「あ、大丈夫ですよ。家すぐそこ何で。皆さん自由時間まで練習なさっているようなので、消灯時間まで手伝えることがないかと」
「夜ご飯とかお風呂とかどうするの？」
「なんか…ないとー？…電気付けて一旦帰ってまた戻ってこようかなって」
「ナイターね。そんなに近いの？」
「徒歩１分もかかんないよ」
それぞれの質問に答えると、二人共感心したような目を向けられた。
「野球の知識もないのによくやるじゃん」
「んー、まぁ私も、目的の為には手段を選ばないと言いますか…」
「？」
苦笑いで答えると、小湊君は「もしかして」と少し感付いたようだった。
一方、小湊先輩の方は何のことか検討も付かないようで不機嫌そうな顔をした。
いや、可愛いかよ。
どうしてこうも兄弟揃って顔面偏差値が高いのだろうか。
「小湊先輩。野球、楽しいですか？」
「は？」
「んな直球に怪訝な顔しないでください」
自分でも質問の仕方が悪いってのは分かってますから。
そう言うと、小湊先輩は少し黙って考え込んでいた。
みんな、そんなに考え込まないと簡単なことが答えられないのだろうか。
「野球は…好きだよ。じゃなゃここまでわざわざ野球やりに来ないし…でも最近はあんまり楽しいと思ったことはないかな」
じゃあ、どうして野球やってるんですか。
そう聞こうとして、口をつぐんだ。
"野球が好きだから"
きっとそう答える。
「そう…ですか…」
悩んだ結果、そう答えるしかなかった。
「今日、ティー出しやってくれたらいつでも何か聞きに来て良いよ」
「あ、ありがとうございます！」
「あと俺達は名前呼びで良いから」
「はい、でティー出しってなんですか？」
「は？」
小湊兄弟イケメン過ぎ事件。
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琥珀ねっと。 - あーちゃんさん» ありがとうございます！更新が遅いですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです。応援ありがとうございます。 (2019年4月13日 21時) (
レス) id: a1b104d49d (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - すごく面白いです！展開が楽しみ！！これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年4月13日 13時) (レス) id: 8c4679311b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀ねっと。 | 作成日時：2019年4月5日 5時
