【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ7
瞬時に。ノルカに向かって伸びて来たのはオキナの腕。
オキナはノルカの胸倉を掴み上げる。
その衝撃にノルカは小さく呻いたが、その目はしっかりとオキナを睨みつけていた。
「なんとも非力だな。ほら、どうした？ワシを許さんのだろう？どう許さないと言うのだ？」
「っぐ、ぅ。ッるせぇ！！」
ノルカは歯を食いしばると、自身の胸倉を掴むオキナの手に思い切り爪を立ててやる。
が、そんなものは抵抗にすらなって居らず、オキナは顔色一つ変えずにノルカに視線を合わせていた。
ノルカの必死の抵抗をしばらく眺めていたオキナだったが、喧しい。と呟いた後で胸倉を掴んでいない空いた片手で彼の後頭部を鷲掴んだ。
そして、そのままノルカを鉄柵に押し付けたのである。
ガシャァン！！と大きな音を立てて叩き付けられたノルカの目には、背けようにも背けられない現実。
鉄柵の向こう側のヤシの姿だった。
「見ろ。貴様の目に映っているのはなんだ？」
「ぐ、ぁ。あぁ……」
「"アレ"は幻か？幻覚か？……違う。現実だ」
「……ッ、ぅ、うッぁ、」
小さく呻き声を上げるノルカに見せつけられる、見たくもないそれは。次第にユルユルと霞んでボヤけた。
「貴様らが何を喚こうと、幼稚な主張を繰り返そうと。悪人は悪人だ。我々は正義の名の元、それを処罰した迄。……ケツの青い無知な餓鬼に、クズ呼ばわりされる筋合いなどないわ！！！！！」
「や……やめろよ！！！」
そこでソルカが口を開いた。未だ止まらぬ体の震えを払うかのように一歩を踏み出すと、そのままオキナに向かって地を蹴った。
力強く、拳を握り込み。オキナに向かって繰り出す。
その拳は、身長の差から丁度オキナの腰付近を何度も何度も殴打した。
「ノルカを、離せよこの野郎！！！お前が何と言おうと、僕達は何度だって言ってやる！！このクズ野郎！！」
ボロボロと涙を零し、ソルカは力一杯拳を繰り出し続けた。
そんなソルカをオキナはただただ見下げ、ふと何かに気づいたように視線を上げる。
そして小さく口角を上げ、掴んでいたノルカを静かに離した。
どさり。と落下したノルカにソルカが駆け寄る。
鉄柵に勢いよく押さえつけられたノルカの顔には青アザが痛々しく残っていた。
「ノルカ！！大丈夫！？」
「……っるせぇっしょ。こんくらい、何ともねぇよ」
そんな2人に、オキナが視線を向ける。
【ノルソル過去編】善良な悪人達の話→←【ノルソル過去編】善良な悪人達の話※微グロ注意
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
story101(プロフ) - はい！ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (
レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ！お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお！そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ！！←怖い有難うございます！これからもよろしくお願いします(｡_｡*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい！もちろんです！応援してます！！ (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ！おおっ！流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス･:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー！これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
