98.吸血鬼か魔法使いか ページ23
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たどり着いた先は、一階の台所。
なんでも揃ってんねん、とすばるくんは言う。
館にしてはその台所は小さいと思ったが、そうだった。
彼らには食事は必要ないんだった。
備え付けのカウンターに座る。
すばるくんはいそいそと何かを調理しているが、他2人は私の両脇に座った。
黄「そういえば、大倉。さっきの黒猫と会ったって言ってたけど、なんか会話したん？」
緑「せやった！それも伝えたかったんやった 」
おおくら、大倉…………。
あぁ、緑さんの名前。覚えておこう。
それよりも、黒猫との話を知りたい。
緑「いつやったか忘れたけど、最近。俺んとこに急に現れて、“魔法使いにならない？”って言いにきたんや 」
『魔法使い？』
赤「なんやそれ、ファンタジーか 」
黄「そのまんまお返ししますよ。俺もやけど 」
緑「いやほんま、俺もびっくりしてん！」
魔法使い…？
吸血鬼が存在するなら、魔法使いもいたっておかしくはないだろう。
けどそんな提案、どうして……？
緑「魔法使いってのは、力を使うのに寿命も、身体をも犠牲にしなくちゃならない。俺は、もうこれ以上人間から離れたくなくて断った。ひとつだけ気になったのは……………
台本に書かれてある、最悪の運命をも変えられるってとこかな 」
『最悪の運命？』
緑「そう。それがもし悪いものだとしても、都合のいいように書き換えられる…みたいな。まだ、怖くて見れてないけどね 」
綺麗なその横顔は、照れ臭そうに笑った。
緑「ていうか、俺だけなん？そうやって誘われたの」
黄「俺は無かったで 」
赤「俺も。」
すばるくんはフライパンを持ちながら言う。
香ばしい匂いが広がっていくのがわかった。
緑「横山くんも村上くんも、初めて見た的なこと言ってたから多分ないと思うねん 」
黄「じゃあ、ヤスとマルは可能性があるな 」
会話から、それぞれの名前と顔を当てはめていく。
横山くん、村上くんは多分、さっきまで一緒にいた2人。
で、ヤスとマル、と呼ばれた2人はきっと青色のブローチの人とオレンジ色のブローチの人。
よくよく考えれば、その2人は私によくわからないことばかりしている。
海に連れ飛ばしたり、突然なんの前触れもなく血を吸ったり。
そんなことをしている2人だから、魔法使いにだって手を伸ばしてしまうのでは……なんて思ってしまう。
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朱狐(プロフ) - ハニーレモンさん» 本当ですか！ありがとうございます！励みにして頑張ります！ (2019年9月28日 8時) (
レス) id: 576e85210a (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - はじめまして最初から読みました。安くんの存在も気になります。すばるくんには主人公ちゃんを最後まで守ってあげてほしいです。楽しみに待っています。(*^-^*) (2019年9月28日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱狐 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=tikuwa123456789&scr=novel/bokuranokako...
作成日時：2018年2月8日 19時
