僕の好き、君にあげる。

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慧「Aー！お疲れ様！飯とビール買ってきたぞ〜飲め飲め〜」




『ありがと〜たまには気が利くじゃん』





慧「慧くんはいつも優しいでしょうが」





たしかに、改めて考え直せば優しい整った顔。綺麗。昔からモテるのも分かる。でも、好きかどうかと言われたらそれはやっぱり違う気がする。




遠いあの日の記憶と慧とを重ね合わせて胸が痛くなる時、あれは恋をしているからなの？




八乙女さんと目が合った時のと同じ胸の痛み？




だとしたら……私はほんとは誰が好きなの。






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慧「あのさ、」




慧が生温い声で話し出す




慧「この前は変なことしちゃってごめん、最近Aがなんか変わったような気がして焦っちゃって……そのなんていうか幼なじみ的に､」




『変わった？』





慧「うん、なんかちょっと、…可愛くなった」





思わぬ発言にビックリして声も出ない。何かむず痒くて恥ずかしい気持ち、



たしかに、たしかに服装を変えてみたりメイク頑張ってみたり、友達がオススメしてくれた香水を使ってみたり、したけど。そんなので、




『可愛くなんか』




可愛くなんか、なりきれない。





慧「……あまのじゃく、嬉しいくせに。」




『嬉しくなんか…！』




慧「顔真っ赤なのに？」




『ちがっ、』





目を合わすことも出来ない私とは反対に慧は「おもしれぇ」ってバカにしてる





『うるさい！もう寝る！』





慧「ん〜おやすみ、俺もソファで寝るわ〜」





『…勝手にすれば！』





「勝手にしま〜す」と人の家に居座る慧に背を向けて、急いで寝たフリをしたものの全く寝つけなかった。




そんなんだから聞いちゃいけないことを聞いてしまったような気がした。




ベッドに近づいてきた慧の



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慧「ねぇ俺じゃダメなの…？」





どう受け取ればいいか分からないそんな言葉を。

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