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  長い長い引継ぎを終えた後、

  Aとジャーファルは城下へと降りて行く。








 「今頃、お兄様は泣いているわ」


 『愛のある説教です』


 「分かりづらい愛ね」


 『王の為です』


 「貴方くらいよ、お兄様をあんな風にできるのは」


 『まあ』









  ジャーファルはAの歩幅を合わせ、

  斜め後ろを歩いた。




  そんな時、









 「ちょっと、」








  Aが立ち止まり、後ろを振り向く。

  それに合わせてジャーファルも止まった。








 「こういう時は、隣を歩いて欲しいのだけれど」
 







  少しの間が空いて、

  彼は軽く笑ってから言った。








 『そうですね』








  そう言って一歩前に踏み出し、

  彼女との肩を並べた。









 『では、手も繋ぎましょうか』








  掬う様に、優しく繋いで見せた。









 「....別に、そこまで言っていないわ」


 『お顔は素直な様ですねえ』


 「見ないで頂戴」


 『嫌です』








  そんな事を言う彼女であったが、

  繋いだ手は離そうとはしなかった。



  むしろ、繋ぎ返した様にも見えた。









 『たまには、こういうのも良いですね』


 「そうよ、息抜きも必要なんだから」


 『そうですねえ』


 






  手を繋ぎ肩を寄せ合い歩く二人。

  ここでは、”姫と政務官”ではなく、



  ”恋人同士”なわけで。








 「そうでないと、いつか倒れてしまうわ、貴方」


 『そうしたら、貴女が私を介抱して下さい』


 「嫌よ、面倒臭い」


 『まあそう言わずに』








  一歩外に出てしまえば、

  姫と政務官と言う肩書きなんて消えてしまうのだ。









 「倒れない様に、身体を大切にして頂戴」








  二人の関係の特別さだって、

  気にならないくらい。








 『そうですね、貴女の前で倒れたら格好がつきませんし』


 「そうよ、心配させないで頂戴」


 『用心致します』









  彼女と一緒に居る時に彼は本当に綺麗に笑う。

  優しげで、彼女への想いが溢れている様な。









 「貴方が居ないと駄目なのだから、私は」


 





  そういう彼女もまた、

  彼を想い、美し過ぎる程に笑いかける。

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設定タグ:マギ , ジャーファル ,   
作品ジャンル:アニメ
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美波(プロフ) - 藤さんが書かれる作品どれも大好きです! (2018年8月31日 3時) (レス) id: c5c29d712e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぱふぃさん» ありがとうございます!これからも応援よろしくです(*^^*) (2017年9月8日 16時) (レス) id: 23a9472844 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぃ(プロフ) - 更新待ちわびていました!大好きなシリーズです。無理せず、これからも更新頑張ってください(●´ω`●) (2017年3月29日 21時) (レス) id: 218c9ce832 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 聖菜さん» 遅くなってすいませんでした!!これからもよろしくです! (2017年2月25日 11時) (レス) id: 23a9472844 (このIDを非表示/違反報告)
聖菜(プロフ) - 更新待ってました!!!!!!!!!これからも頑張ってください!!楽しみにしてます! (2017年2月21日 0時) (レス) id: face21115d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年4月27日 18時

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