【過去編】孤児院3 ページ19
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***
そう云われて着いたのはバー。
「少しこの子の遊び相手をしてくれ、」
その言葉にはもう疲れた、という意味も含まれていたのだろう。
彼がそう語りかけたのは眼鏡をかけた人と赤い髪の人。
「珍しい。さらってきたんですか?」
「ひどいなぁ、違うよ………引き取ったんだ。異能力に目をつけた。」
「この子の異能力は?」
「自分を傷つけた人に仕返し…天罰が下されるんだ。」
「で、その怪我はそれのせいですか?」
え?と思い見てみると確かに血がたらりと頭から出ていた。
「これは転んだんだよ?」
「そうですか。心配して損しました。」
「えぇ〜安吾ひど〜い…ね?織田作。」
どうやら安吾、と織田作?というらしい。
「安吾、乗せて。」
私はまだ11歳。小さくてバーの高い椅子には座れなかった。
「………どうぞ。」
私を抱っこして乗せてくれた。
最初の間は安吾、と云われて驚いたのだろう。
「この子、住むところはどうするんだ?」
「家に泊まらせるつもりだよ、それとも引き取ってくれるの?」
「泊まらせれるんなら人に頼らない!」
と安吾が素早くツッコミを入れた。
「ねえねえ、おさむ。おださくの上に乗りたい。」
だから移動させて、そう云った。
「えぇ〜ここは嫌?」
と自分の膝を指している。
「おださくがいい。」
そういうとしぶしぶおださくの上に乗せてくれた。
「………何で織田作って子供にモテるんだろ…」
「あなたの性格が体に滲み出てるんですよ。」
「えぇ〜ひどぉい。」
私はおださくにハグする。
「おさむとは違ってあったかい…気がする。」
「ほら。子供はわかるんですよ。」
「さっきまで泣きそうだった顔が笑顔になってきたな。」
「しょうがないさ、
目の前で友達が死んでそれは間接的にいえば自分のせいなんだ。」
そりゃ辛いよ、というかのように飲み物を飲んでいる。
「貴方ねぇ。そんな傷の深追いしたら……
ほら、泣いた。」
「え…?」
私はおださくに向かって座り泣いていた。
「…………これは重症ですね…」
そう云われたのも聞こえず。
「まぁ、これから一緒に暮らしていくうちに治していけばいいさ。
ここが新しい君の家だよ。」
………「家」といえどマフィアに入ることはなかった。
それはまた別のお話……………
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カマポコ☆ - エッッッ好きです?!いや続き見た過ぎて陸に打ち上げられた魚になりました()え、え? とりま更新頑張ってください!!!応援してます!! (2022年1月5日 2時) (レス) @page34 id: 186ecad035 (このIDを非表示/違反報告)
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