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佰参拾漆. 手を取って ページ28

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【太宰 視点】









太「っ、A!」







ずるずると、彼の体から力が抜ける。

どうにか抱き留めたまま地面に座り混んで、彼の様子を見る。





…私の手に付いた赤い液体は、間違いなく彼のものだ。






「…っ、太宰くん、平気かい…?」

太「心配するのは君の方だ、撃たれたのか」

「そうみたいだね…っ、消音器(サイレンサー)付、型はL96A1…で、合ってるはず……」







自分が撃たれたというのに、そんなことまで確認していたというのか。







太「そんなことは後でいい、早く止血を…」

「…太宰くん、」

太「今は喋らないでくれ、後で何でも聞くから」






ちらりと辺りを見回すと、独特の鈍い光が太陽に反射しているのが見える。

少し距離はあるが、撃てない範囲ではない。






「君には、言わなきゃいけないことが、沢山…」






脳裏に、蘇る記憶。




…駄目だ。

この先を聞いてしまったら、私は。







太「悪いね、Aくん」

「…え、、?」

太「その先は、後で沢山聞かせてくれたまえ」







自分の上着のポケットから拳銃を取り出し、狙撃された方向に向かって発砲する。


…勿論実弾じゃないけど。





「太宰、くん…少し、眠らせてくれないか……痛みが引いてきた……」

太「駄目だA、今眠ったら……っ」







彼の手が、頬に触れる。

…思わず押し黙ってしまう。






「…君が無事で、良かった」

太「っA…」






力の抜けてゆく彼の手を頬に添えて、私はAの華奢な体を抱き締めた。


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作品ジャンル:アニメ
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シェエラ(プロフ) - いつも楽しく、続きを楽しみに読んでます。ありがとうございます。 (2017年1月31日 20時) (レス) id: 1ac12c7cb6 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごい、面白いです!!!!続きが気になって仕方ありません!!!更新頑張ってください!! (2017年1月30日 1時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - シェエラさん» 主くんが子どもみたいに見えるように意識しました…!笑 そう感じていただけたなら幸いです!(意味深) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - 主がかわいく思えるます。なんとなくですが、ちょこんと座ってる感じがして。エドガーさんの小説を読んでる主が本当の主の姿なのかなぁって思いました。 (2017年1月5日 8時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - SEAN◎さん» う、美しい…?!なんと勿体ないお言葉……ありがとうございます…!エドガーさんが愛おしく思える今日この頃です…笑 更新がんばりますー! (2017年1月4日 23時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月28日 19時

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