佰参拾参. 偵察 ページ24
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【中也 視点】
中「…で、俺は手前と組むのか?」
「すみません、太宰くんがどうしても代われと言うので」
中「その方が俺も有難いがな」
困ったように笑いながら、彼は俺の隣を歩いている。
現在、此処は街中。
堂々と道の真ん中を歩いているが、恐らく大丈夫だろう。
…【細雪】とやらで、俺達の姿は隠されているからだ。
「一応【人間失格】も使用できるので、必要な場合は言ってください」
中「…ずっと聞こうと思っていたんだが」
「何でしょう」
中「手前は、何故探偵社に入ったんだ?」
「意外な質問ですね。…あ、吸ってもいいですか?」
そう微笑んで、彼は煙管を取り出す。
すう、と紫煙が宙に消えてゆく。
「…明確な理由などありませんよ」
中「ヘェ、」
「ただ、一つだけ言えることはあります」
中「…何だ?」
「彼処は、僕の居場所です」
穏やかな微笑みとは裏腹に、その目は真剣そのものだ。
中「…ま、手前がそう思うんならそれで良いがな」
「さて、如何しましょうか。僕が犯人なら、ちょうどあの辺りの屋上に場所取りをしますが」
そう言って、彼はある方向を指差す。
…おいおい、此処からじゃかなり距離があるじゃねえか。
「入射角は鋭角でしたからね。…でも、あの距離を撃てる人間は早々いないでしょう」
中「それだけ腕の立つ人間がいるなら、さっさと犯人を特定出来る、か」
「ちなみに、スコープ付でしたら僕は撃てますよ」
中「…ああ、そう」
…あんな距離を正確に撃てるとすれば、相当な訓練を受けたのだろう。
それを何とも無いように言う此奴は、やはりよく分からない。
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シェエラ(プロフ) - いつも楽しく、続きを楽しみに読んでます。ありがとうございます。 (2017年1月31日 20時) (レス) id: 1ac12c7cb6 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごい、面白いです!!!!続きが気になって仕方ありません!!!更新頑張ってください!! (2017年1月30日 1時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - シェエラさん» 主くんが子どもみたいに見えるように意識しました…!笑 そう感じていただけたなら幸いです!(意味深) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - 主がかわいく思えるます。なんとなくですが、ちょこんと座ってる感じがして。エドガーさんの小説を読んでる主が本当の主の姿なのかなぁって思いました。 (2017年1月5日 8時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - SEAN◎さん» う、美しい…?!なんと勿体ないお言葉……ありがとうございます…!エドガーさんが愛おしく思える今日この頃です…笑 更新がんばりますー! (2017年1月4日 23時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月28日 19時