【文スト】肆 全身黒の、美しいひと。【男主】

捌拾伍. 支え ページ6

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【与謝野 視点】









与「…街の方はどうだった？」


国「かなり混乱しています。原因が分かれば少しは対処のしようがあるんですが」

与「成程ねェ。…名探偵はどう見る？」







突如、街中が混乱に陥っている。


外に出るのが危険な程だ。






乱「…前に太宰が言っていたQという少年の異能のせいだろうね。でも、彼の意思じゃない。だとしたら、」


与「ポートマフィアか、或いはギルドってところかい？」


乱「ああ、恐らく後者だ」







そう言う乱歩の表情は、どこか曇っている。

…まあ、彼奴がいないということも関係あるのだろうが。






乱「…考えられるのは、例の樹木と感覚を供給する異能力者が絡んでいるケースだ。
其奴が街中の木々とQを繋いだんだろう」

与「早く何とかしないと、大変なことになりそうだねェ」




国木田が、盛大にため息をつきながら手帳を閉じる。




与「Aでもいりゃ、少しは手が打てるだろうが…」

乱「彼は彼で、今も戦い続けてる」






駄菓子を食べながら、彼が呟く。





谷「…Aさんからメールは来てないですね」

乱「彼がギルドに潜入したのは、過去の自分を清算するためだ。…仕事は果たすと思うよ」







そう言って、また皆が口を塞ぐ。


…社員の心の支えはAなのかもしれないと、改めて思う。







乱「…彼、下手したら食事とってないかもね。ほんと、何考えてるか分かんない」


与「痩せやすい体質だしねェ、彼奴は」

乱「さっさと帰ってきてくんないと、やる気起こらないんだけどな」






確かにこの戦局において、Aは大きな鍵だ。





…彼が考えていることは分からないが、いつも無駄な行動はない。

全てに、何かしらの意味がある。






与「…ったく、本当に酔狂な奴だよ、あの男は」




ため息をついて、窓の外をちらりと眺めた。



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