佰拾. 嫌な予感 ページ31
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【谷崎 視点】
谷「…どうしたんですか、乱歩さん」
乱「別に」
先ほどから、乱歩さんの駄菓子を食べる手が止まっている。
駄菓子はまだまだ手元にあるというのに珍しい。
与「珍しいねェ、まだこんなに残ってるじゃないか」
与謝野先生が駄菓子を手で摘む。
乱歩さんは手に持っていた鉛筆を置いて、机にうつ伏せになる。
与「どうかしたのかい、名探偵」
乱「…なーんか、食欲ない」
与「珍しいこともあるもんだねェ、ナオミ、何か食べるかい」
ナオ「いいんですかー?」
乱「食べたきゃどーぞ」
ナオミは嬉しそうに沢山の駄菓子の中から種類を選んでいる。
ちなみに僕の隣にいる国木田さんは、しきりに時計と窓の外を気にしている。
…まあ、それは分からなくもない。
探偵社だけじゃない、この街の存亡に関わることなのだから。
国「…そろそろか?」
乱「予定はね。…でも、嫌な予感がする」
賢「嫌な予感、ですか?」
乱歩さんがむくりと起き上がり、真剣な表情になる。
その姿に、思わず全員の顔が引き締まる。
乱「…まあ、予感だけで済むといいんだけど」
与「こればかりは新人二人に望みをかけるしかないからねェ」
賢「そうですね!」
再び乱歩さんは駄菓子を食べ始める。
…だがその表情は、さっきより随分と曇っている。
乱歩さんの嫌な予感、というのは残念ながら大抵当たる。
だが今回の作戦においては、その予感が的中しないことを祈るしかない。
乱「…」
…だが、乱歩さんが気にしているのは街のことではない。
そんなことを僕が知るのは、あと数時間後の話だ。
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Rain(プロフ) - 突然すいません!この作品が、とても面白くて好きです!続編楽しみにしてます! (2016年12月27日 22時) (レス) id: 5eaacd6e9b (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいています。続編楽しみにしています。 (2016年12月27日 19時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
yukka_setuna_syota(プロフ) - 続編楽しみです!!!これからも頑張ってください!! (2016年12月27日 15時) (レス) id: 7eb3008315 (このIDを非表示/違反報告)
Chikaのほい(((プロフ) - おぉぉ!続きが凄く楽しみです!更新頑張ってください! (2016年12月27日 14時) (レス) id: f4f8a58d61 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 第二期、終わってしまいましたね…私も第二期のOP、ED共にお気に入りだったので、最終回の入れ方に鳥肌がたちました!深夜にTVの前で発狂してましたw第三期フラグが完全に立ちまくってたので、原作のストックがたまるのを今か今かと待ってます…更新頑張ってください! (2016年12月23日 0時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月3日 15時