【文スト】肆 全身黒の、美しいひと。【男主】

佰弐. 四人の対峙 ページ23

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【フィッツジェラルド 視点】









「…っ敦くん！」

敦「うっ、く……！！」






その時、足音が聞こえてくる。

そちらを見ると、黒い外套を身に纏った少年が歩いてくるところだ。







フィ「おや、珍しい客人だ。Mr...アグラ？アーグラーか」

芥「…芥川！」

フィ「それだ」





パチン、と指を鳴らすと、黒い少年の表情が険しくなる。






フィ「…Mr.芥川、歓迎したいのは山々だが」






その瞬間、彼が虎の少年を蹴りつける。






芥「誰の許可で床に転がっている。…今度は逃がさぬ、立って戦え」







少年は人虎を蹴りつけながら、彼に語りかけている。







芥「先刻貴様は、僕が理解出来ぬと言ったな。僕からすれば、貴様こそ理解出来ぬ！」

敦「うっ、！」


芥「その臆病な目は、己の力も異能力も信じてない。なのにいつも無謀な死闘に挑む。
その矛盾した自尊は何処からくる！」



フィ「その辺にしておけリトルガイ。そうでなくても俺は無視されるのが嫌いだ」







その瞬間此方に向かってくる黒獣を、掌で受け止める。

…成程、力強い。






芥「黙れ。僕のメインは人虎だ。デザートはそこで大人しくしていろ」






その黒獣を掴み、引き寄せ殴り掛かる。

が、その拳は当たらない。




どういうことだろうか。







フィ「俺は二番手が嫌いでな。序列の変更を要求する」

芥「っいいだろう！」







腕に食いつく黒獣をどうにか受け止める。

…が、その瞬間。






「止めときな、芥川くん」







銃声が鳴り響き、黒獣がちぎれる。


そこには倒れているはずの人虎はおらず、代わりに、銃を構えたAの姿があった。




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