佰陸. 覚悟 ページ27
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ぐらりと、機体が揺れる。
…まさか、フィッツジェラルドは全資産を費やすつもりか。
「…ハーマンさん、お願いがあります」
ハ「何かね」
「おそらく、団長はあの二人に敗れるでしょう。そうなれば、操縦室に来るはずです。
…彼らのサポートをしてあげてくれませんか」
ハ「…君にも技術はあるだろう?」
「僕は、執務室に戻ります。白鯨からの景色を眺めていたい」
僕は彼に抱き締められたまま、そっと呟く。
彼は優しく僕を離し、険しい表情で僕を見つめる。
ハ「…もし、白鯨が墜落する時はどうするつもりかね」
「その時は、白鯨と運命を共にします」
僕は、彼を真っ直ぐに見つめ返す。
…彼の表情もまた、真剣だ。
ハ「君は頑固だ、止めても聞かないのだろう」
「ええ、その通りです」
ハ「…君の願い、承知した」
「感謝します、Mr.ハーマン」
僕は深々と頭を下げる。
「もう一つだけ、頼み事をしてもいいですか?」
ハ「何かね」
「彼らに僕が此処に残ったと伝えるのは、無事に脱出した後にしてもらえませんか」
彼は、静かに頷く。
ハ「君は、不思議な男だ」
「…そうですか?」
ハ「だがその妖しさに、人は魅了されるのだろうな…」
「僕は、ただの男ですよ」
そう微笑んで、僕は部屋を出る。
ここまで、ほとんどが予想通り進んでいる。
ひとつだけ予想外だったのは芥川くんのことだが、彼を焚き付けたのはどうせ太宰くんだ。
…ホント、何を考えているんだか。
僕はそのまま、最上階の執務室へと向かった。
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Rain(プロフ) - 突然すいません!この作品が、とても面白くて好きです!続編楽しみにしてます! (2016年12月27日 22時) (レス) id: 5eaacd6e9b (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいています。続編楽しみにしています。 (2016年12月27日 19時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
yukka_setuna_syota(プロフ) - 続編楽しみです!!!これからも頑張ってください!! (2016年12月27日 15時) (レス) id: 7eb3008315 (このIDを非表示/違反報告)
Chikaのほい(((プロフ) - おぉぉ!続きが凄く楽しみです!更新頑張ってください! (2016年12月27日 14時) (レス) id: f4f8a58d61 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 第二期、終わってしまいましたね…私も第二期のOP、ED共にお気に入りだったので、最終回の入れ方に鳥肌がたちました!深夜にTVの前で発狂してましたw第三期フラグが完全に立ちまくってたので、原作のストックがたまるのを今か今かと待ってます…更新頑張ってください! (2016年12月23日 0時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月3日 15時