quarante-cinq. ページ46
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- Dazai side -
太「君は、何故探偵社に」
「…それはこちらも聞きたいね。ただ一つだけ確信できるのは、僕も君も素性を知られたくないということだけだ」
太「…なるほど」
目の前の、美しい男。
…今は穏やかな笑みを浮かべているが、彼はあの時の少年だ。
もっとも、見た目があまりにも変わっていたために気が付かなかったが。
「…そういうわけだ。取引しないか」
洒落たキセルを手にし、私を見つめる彼。
太「取引?」
「そのままの意味さ。互いの過去を、その胸だけに収めておくというのはどう?」
そう言って笑う彼のその表情は、あの日見たのと同じものだ。
だが、私は彼についてほとんど知らないも同然。
さっき知ったばかりの名前と、かつてのあの姿だけ。
でも今は、これに乗らないほかないだろう。
太「、その取引、乗ろうじゃないか」
「話が早くて助かるよ」
太「でもまさか、口約束だけにする気かい?」
「文書にしたいのならそれでも構わないよ。君の好きなように…」
彼が言い切るより先に、彼の手首を掴む。
「…何をする気?」
太「誓いの印でもいいのかい?」
「誓いって…また随分と古典的な」
紫煙とともに深く息を吐き、彼は右腕の袖を捲る。
胸元からポケットナイフを取り出し、それを私の手に握らせて、不敵な笑みで私を見つめる。
太「互いの過去を、その胸に」
「承知、っ」
露わになったその細い右腕に、なるべく優しく傷をつける。
太「…ほら、君も」
「あーあ、袖捲れなくなっちゃった」
くすくす笑い、彼もナイフを手に持つ。
…そうして二人の右腕には、同じような傷ができたのだった。
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サングラス - 良かったです!!この作品読むのとても楽しいので嬉しいです!頑張ってください! (2016年10月21日 15時) (レス) id: d1c26ece08 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - やったあああああ!これからも更新、頑張ってください!! (2016年10月19日 23時) (レス) id: bed4eaded8 (このIDを非表示/違反報告)
Lan(プロフ) - 初コメです。いつも楽しく拝見させて頂いているので、消さないで下さい。これからも楽しみにしてます。頑張って下さい。あ、返信いりませんよー (2016年10月19日 0時) (レス) id: 8a665e221e (このIDを非表示/違反報告)
こゑだ(プロフ) - 初コメです。これは自分が勝手に思っているだけですが、このサイトを利用している人はある程度性的知識が豊富だからフラグがどうとか言ってると思うんでフラグはいらないと思います。私もこの作品の更新を楽しみにしている内の1人なので消さずに頑張ってほしいです。 (2016年10月18日 19時) (レス) id: e4866b2b81 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫 - 初コメ失礼致します。下の方が仰せられております通りだと思います。読者の私としてもフラグが必要な程の表現は無いかと思われます。最終的な判断は作者様となりますが私はこのまま更新を続けて頂けたらと考えております。お目汚し失礼致しました。 (2016年10月18日 19時) (レス) id: 46877d2f51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年9月10日 8時