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trente-deux. ページ33

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- Fitzgerald side -







フィ「……ん…」






目を覚ますと、隣にいるはずのAの姿がない。

いつものことだ。




体を起こして見れば、…テーブルに向かって座っている愛しい人の姿が。






フィ「A、何を書いている?」

「……ああ、日記さ」

フィ「日記?それは普通一日の終わりに書くものだろう?」

「普通の日記はね。これは夢日記だ」





分厚いノートに何やら書き込んで、そっと閉じるA。





フィ「…夢日記?」

「興味深い夢を見た日は、書くようにしてるんだ。…ナサニエルの野郎に止められたけどね」

フィ「ナサニエルに?それはまた何故」


「夢日記を書くと精神が崩壊するんだと。失礼なヤツ」




自分のノートを見つめ、Aは満足げに笑う。





フィ「見せてくれないか」

「やだね。これは僕が死んだ時に、大切な人に渡すんだ」




んー、と伸びをしてこちらに振り返る。




「まあ、まだそれが誰なのかは分からないけどね」

フィ「そうか、」


「アンタは僕のことが好きなんだろ?僕の" 大切な人 "になれるように、せいぜい頑張ってくれよ」

フィ「はは、…それはそうだな」





ぐい、とその腕を掴んで引き寄せて、抱きしめる。

今日は珍しく、抵抗しないらしい。





「珍しいな。アンタはいっつも自信家なのに、僕に対してはどこか不安げな時がある」

フィ「そうか?」

「……僕の知ってるアンタは、もう少しかっこいい顔をしてるはずなんだけど」





私の顔を見上げて、そっと頬を撫でる手。


…まったく、ずるい奴。





フィ「それは、お前にだけだ」

「へぇ、光栄だな」

フィ「…A、私のそばにいてくれ」

「それは、団長としての命令?それとも、」

フィ「分かっているだろう?」


「……愚問だったな」




華奢な肩を腕の中にしっかりと抱きしめ、首元に顔を埋める。


その温もりは、いつになれば私だけのものになるだろうか。


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trente-trois.→←trente-et-un.



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サングラス - 良かったです!!この作品読むのとても楽しいので嬉しいです!頑張ってください! (2016年10月21日 15時) (レス) id: d1c26ece08 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - やったあああああ!これからも更新、頑張ってください!! (2016年10月19日 23時) (レス) id: bed4eaded8 (このIDを非表示/違反報告)
Lan(プロフ) - 初コメです。いつも楽しく拝見させて頂いているので、消さないで下さい。これからも楽しみにしてます。頑張って下さい。あ、返信いりませんよー (2016年10月19日 0時) (レス) id: 8a665e221e (このIDを非表示/違反報告)
こゑだ(プロフ) - 初コメです。これは自分が勝手に思っているだけですが、このサイトを利用している人はある程度性的知識が豊富だからフラグがどうとか言ってると思うんでフラグはいらないと思います。私もこの作品の更新を楽しみにしている内の1人なので消さずに頑張ってほしいです。 (2016年10月18日 19時) (レス) id: e4866b2b81 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫 - 初コメ失礼致します。下の方が仰せられております通りだと思います。読者の私としてもフラグが必要な程の表現は無いかと思われます。最終的な判断は作者様となりますが私はこのまま更新を続けて頂けたらと考えております。お目汚し失礼致しました。 (2016年10月18日 19時) (レス) id: 46877d2f51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年9月10日 8時

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